今年のドラマを振り返ると、視聴率(ビデオリサーチ調べ・関東地区)では、7年ぶりの復活で大きな注目を集め、フジテレビの看板枠"月9"で7作ぶりの2ケタ視聴率と貢献した『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THW THIRD SEASON』や、初回から20%を超え、最終回では25.3%と他のドラマを圧倒した『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)など、人気シリーズの活躍が目立った。

では、視聴者の声や満足度という点ではどうだろうか。データニュース社の視聴状況調査「テレビウォッチャー」で、膨大なデータと日々向き合う研究員が、2017年のドラマを満足度と視聴者の声から振り返る。

●「テレビウォッチャー」満足度調査概要
・対象局:地上波(NHK総合、NHK Eテレ、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)
・サンプル数:関東1都6県、男性1,200+女性1,200=計2,400 ※回収数は毎日変動
・サンプル年齢構成:「20~34歳」「35~49歳」「50~79歳」各年代男女各400サンプル
・調査方法:毎日モニターにテレビ視聴に関するアンケートを同じアンケートモニターへ配信、データを回収するウェブ調査
・採点方法:最高点を「5」とし、「3.7」以上を高満足度に基準
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    『コード・ブルー』新垣結衣(左)と『ドクターX』米倉涼子

満足度が初回から最終回まで安定して高い位置をキープし続けたのは、やはり視聴率も好調だった山下智久主演『コード・ブルー』と、米倉涼子主演『ドクターX』の2作品。『コード・ブルー』は7年ぶりの復活で、ネット上では脚本家変更(1・2期の林宏司氏から安達奈緒子氏に変更)による懸念や、恋愛要素が多いなどのネガティブな意見も散見されたのが、初回満足度3.95(5段階評価、3.7以上が高満足度の基準)、最終回4.04、平均3.98と、一度も3.9台を下回ることなく好調をキープした。

また、自由記述による感想を見渡しても、脚本や恋愛に関するネガティブな言及はほぼなかった。だが、人気シリーズの根幹を支えるのはファン視聴者で、その中から少なからずネガティブな意見が出ているのも事実。来年7月27日に公開予定の映画版では、その懸念を払しょくする仕上がりになっていることを期待したい。

一方の『ドクターX』は、昨年に引き続き2年連続10月クールでの放送で、第5シーズンに突入した長寿シリーズだが、初回満足度3.92、最終回4.06、平均3.94という超高数値でフィニッシュ。マンネリを感じさせない、衰え知らずの強さを見せつけた。

注目は、最終回の満足度4.06で、この数値は全10話中最高の数値。最終回の感想を見ると「ドクターXで初めて泣いた」(60歳男性)、「こんなにウルウルした回は今までなかった」(52歳女性)、「全ての回が面白かったが、ラストはそれに加えて、心動かされた」(51歳男性)など、これだけエピソードを重ねながらも新たな一面を見せ、さらに視聴者を満足させるとは、この作品はまだまだ底知れない。

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『陸王』

また、データが確定ではないが、今年放送されたドラマでナンバー1満足度に輝きそうなのが、役所広司主演『陸王』(TBS)で、4.08をマーク(27日回収分まで)。この作品も初回3.98と超高数値でスタートし、その後一度も4ポイント台を下回ることのないハイアベレージで推移した。最終話の感想では「この番組を観たことが、今年の収穫の一つ。結末が良かった」(65歳女性)、「感動した。その一言に尽きる」(26歳男性)など、視聴後感も最高だったようで、まだ暫定値ながら4.28に達した最終話の満足度は、年間トップに間違いないだろう。『半沢直樹』(2013年)から続く"池井戸潤原作×日曜劇場"のタッグはやはり強かった。