R4Dオフィサーの木村氏は、「3~5年先にビジネスになったり、インフラになるようなものを研究開発テーマとして考えている」と具体的な製品・サービス化時期を想定する。例えば暗号通貨で注目され、さまざまな分野でインフラとして期待されるブロックチェーンは、「安心・安全な利用にまだまだ課題がある」とみており、研究開発に注力することでサービスへの応用を早めたい考えだ。

類似画像検索といった現状でも利用されている技術についても、より高速化する技術開発を内製に近い形で目指し、現在はメルカリが進出していないコミュニケーション分野でも、前述のシャープとの共同研究を行うことから、メルカリが幅広い可能性を模索していることが伺える。

ITインフラの多くが米国企業に押さえられているなか、学術界や他産業とのコラボレーションで技術力を磨いてどこまで製品・サービスの競争力の源泉とできるか。海外市場でもポジションを築きつつあるメルカリだが、この取り組みが5年後、10年後に繋がる「底力」となるか注目だ。

  • (左から)京都造形芸術大学の小笠原治教授、現代アーティストのスプツニ子!氏、ピクシーダストテクノロジーズの落合陽一社長、慶應義塾大学環境情報学部の村井純教授、メルカリ 代表取締役会長兼CEOの山田進太郎氏、メルカリ 取締役 CPOの濱田優貴氏、シャープ 常務 研究開発事業本部長の種谷元隆氏、東京大学大学院情報理工学系研究科の川原圭博准教授、東北大学大学院情報科学研究科の大関真之准教授