さて、カシオ・アメリカ会長兼CEOとして米国でG-SHOCKを広めた伊東重典氏(現在はカシオ計算機 専務執行役員 営業本部長)が、「覚えていますか?」と指さす頭上スクリーンに写し出されたのは、1984年にアメリカで初めて放映されたG-SHOCKのTVCM。
アイスホッケー選手がG-SHOCKをパック代わりにハードヒットして、頑丈さを示すという、衝撃的な映像でした。「誇大広告では?」と疑われ、米TV番組が実験したところ、壊れないことが実証されました! 全米でのG-SHOCK大ブレイクのきっかけとなった、歴史的なCMなのです。
そして伊東氏が壇上に招き入れたのは、なんと元NHLのスター選手マーク・メシエ。そう、彼が所属していたレンジャースのホームが、ここMSGです。ステージに急遽作られたミニリンクで、メシエがG-SHOCKを全力でヒット! 金属板に激しく打ちつけられたG-SHOCK、伊東氏が拾い上げて「この通り、まだ動いています!」と掲げると、またも場内はやんやの大喝采。
続いて、高い天井から轟音とともにステージ上にたたき落とされるG-SHOCK! タフネス・ウオッチだからこそできるこのパフォーマンスは、NYのG-SHOCKイベントではすっかりおなじみです。そのまま客席へと次々投げ込まれ、ラッキーな来場者の手へと渡ります。
新モデルの紹介にあたるのは、販売部長パット・フラヴァティ氏。中でもGPSや各種センサーを備えた「究極のRANGEMAN」に熱い注目が。裏ぶたがブラックセラミック製のこの35周年記念モデル、「発売は来春です!」との発表に、場内を揺るがすどよめきがわき起こりました。
1999年からG-SHOCKのロゴやデザインを手がけているグラフィック・アーティストのエリック・ヘイズ、またこのたび新しくコラボする、パリ拠点のストリート系ファッションブランド<ピガール>のステファン・アシュプールもステージへ。カンファレンス前半に行われた、ルイ・ヴィトたちによる意見交換でも印象的だったのが、彼らクリエイターたちの「マイ・ファーストG-SHOCK」の思い出です。
KITHのロニー・ファイグはこう語ります。「G-SHOCKと同い年の僕にとってG-SHOCKの進化イコール、自身の進化。人生初の時計もG-SHOCK。7年前に引っ越ししたとき、古いG-SHOCKを1本、8才の甥っ子にプレゼントした。彼が15才になった今もまだ現役で動いてる。そう、G-SHOCKは"家宝"ともなるタイムレスなブランドなんだよ」
デザイナーやブランドオーナー、ジャーナリストといった様々な分野で第一線を走る彼らに共通する「起点」としてのG-SHOCK。単なるウオッチを超え、もはやアメリカ人にとっての文化財と呼んでも過言ではないのかもしれません。
さてカンファレンスの後は、休憩をはさんでパーティ、そしてライブパフォーマンス。
会場を盛り上げるゴキゲンなDJは、今をときめくヴァージル・アブロー氏。ストリート・ラグジュアリーを牽引するブランド
ヒートアップしたところで、ハーレム出身の人気ラッパー、A$AP FERGと、ヒップホップ集団のA$AP MOBが登場! 会場を埋め尽くすオーディエンスは総立ち状態、もはや誰にも止められない盛り上がりに…! 客席の歓声やダンス、広がる笑顔とともに、この記念すべき一夜を熱く揺るがしたのでした。