"テレビで良い音"はハードルが高い
映画やゲームを良い音で楽しみたい! と常々思っていました。
でも自宅に音響設備を整えるのは、金銭的にもスペース的にも知識的にもハードルが高くて難しい。仕方ないからテレビから出る音でいいか……とあきらめていたところに、魅力的な製品が登場しました。
ソニーの肩のせスピーカー「SRS-WS1」です。"肩のせ"とはどういうことかというと、
こういうことです。肩にご注目ください。
遠くから見ると"風呂上がりのお父さん"みたいに見えますが、肩にのっているのはタオルではなくSRS-WS1です。
こんな感じで首にひっかけて使います。従来のいわゆる"スピーカー"とは一線を画したビジュアルですが、今はこういった肩かけタイプが注目されているようで、ソニー以外にもいろいろなメーカーが参入しているそうです。
音につつまれる? らしい
簡単に仕組みを紹介しておきましょう。SRS-WS1はテレビに接続した送信機とヘッドホン部がワイヤレスで通信して音を受け取り、首周りのスピーカーから再生しています。音を飛ばしているだけといえばそうなのですが、ヘッドホン部の構造にソニーの技術が詰め込まれていて、"音につつまれる"ような体験を可能にしているといいます。
とはいえ、使う前は「本当に?」と少々疑い気味だった筆者。実際に使ってみてどうだったのでしょうか。
まずは装着感。首や肩のラインをかなり研究して作られているのでしょう。ぴたりとマッチしてとても快適です。誰にでも100%ジャストフィット! と言い切れるわけではありませんが、おそらくほとんどの人が違和感なく使えると思います。肌に当たる部分もやわらかい布系素材で好印象です。
一方、重量は335gあるので、「何かのっている」感はあります。つけ心地がいいので数字ほどの重さは感じませんし、常識的な時間の範囲の使用であれば肩こりにつながるようなこともなさそうですが、さすがに肩にのせていることを完全に忘れるレベルではありません。重くも軽くもない、といった印象です。
首元のところに操作部があります。電源の他、音量の上下と振動の強弱が設定できます。そう、こいつ、映像に連動して振動するのです。それってもう、映画を楽しめと言わんばかりじゃないですか。
ということで映画を見てみることにしました。今回は『ミッション・インポッシブル』シリーズで体験です。
あっ、すごいわこれ
実はこの段階までは、まだスピーカーの効果に疑いを持っていまして、とりあえずボリュームも振動も強めで使ってみたのですが、そうしたらこれがすごかった。
「あっ、これ映画館の音だ」と思いましたね。
そりゃあ冷静に比べると本物の映画館の方がずっと迫力があるのですが、でも映画館の音響の雰囲気をかなりコンパクトにまとめるとこうなるんじゃないかなという感覚を味わえたのです。音質自体もけっこう良いのですが、それよりもやはり首周り全部から音が聴こえてくることが、迫力を生み出している理由なのでしょう。派手なカーチェイスなどのシーンで音がきちんと左から右、右から左へと移動するのにも感激しました。なるほど、「音につつまれる」というキャッチコピーは決して誇大ではありません。
振動もいい仕事をしてくれます。途中、強設定だとちょっと強すぎるかなと感じて中にしたところ、ちょうどよく楽しめました。弱は本当に弱いので、あまり意味がないかもしれません。