2018年、アップルの反撃はあるか
果たしてスマートスピーカーは日本で売れるのか。今後もさまざまな機器に音声アシスタントの搭載が見込まれるとはいえ、その切り込み隊長であるスマートスピーカーが転けると、「音声はダメだ」との烙印を押されかねない。
米国で売れている理由は、音楽ストリーミングを手軽に聞くために、ネット接続に対応したスピーカーの需要があったからだ。だが日本ではそうした下地がなく、スマートスピーカーを見ても「スマホがあるから不要だ」と反応する人は多い。
各社は音楽ストリーミングでも競合する。アマゾンはプライム会員向け「Prime Music」の100万曲に加え、4000万曲が聴き放題の「Music Unlimited」にも月額380円のEcho専用プランを設けた。一方、音楽ストリーミングで世界シェア最大のSpotifyは、国内では現時点でグーグルにのみ対応する。
この点で大きく出遅れたのが、デジタル音楽に強いアップルだ。iOSなどで使えるSiri搭載のスマートスピーカー「HomePod」を12月にも米国や英国で発売するはずだったが、年明けに延期された。
スマートスピーカーの市場はまだ立ち上がったばかりで、現時点での出遅れは致命的ではなく、業績への影響も軽微との見方が多い。だがデジタルコンテンツの競争ではアマゾンやグーグルの躍進を許すことになる。アップルが「Siri」を中心にHomePodの完成度をどのように高めてくるかが、次の注目ポイントになりそうだ。