ソニーネットワークコミュニケーションズのMVNOサービス「nuroモバイル」が、Xperiaシリーズの最上位モデル「Xperia XZ Premium」を発売する。11月28日の発表会では、端末だけでなく専用のプレミアム回線やアップロードの無料化など、新たな施策を打ち出してきた。
MVNO各社が「格安」以外の道を模索する中、nuroモバイルの発表は異例の「プレミアム」戦略として注目を浴びている。その狙いはどこにあるのだろうか。
Xperiaの最上位機種を発売へ
ソニーネットワークコミュニケーションズは、Xperiaシリーズで知られるソニーモバイルコミュニケーションズの100%子会社だ。だが肝心のスマホは、2015年にミドルレンジの「Xperia J1 Compact」を出したものの、その後は他社製品ばかりを売っていた。
理由のひとつは、ソニーモバイルが大手キャリアを優先してきたからだ。Xperiaは日本ではiPhoneに次ぐブランドとして成功を収めており、規模の小さいSIMフリー市場に参入するリスクを取る必要はなかったといえる。
だがSIMフリー市場は10%前後まで拡大してきた。スマホ市場全体でも「docomo with」などにミドルレンジ機を供給するメーカーに勢いがある。ソニーモバイルとしても重い腰を上げざるを得ない状況になっていた。
サプライズになったのは、nuroモバイルが最上位の「Xperia XZ Premium」を発売する点だ。大型テレビと同じ「4K」の画面を搭載するなどスペックは最上級で、格安が期待されるMVNO向けはミドルレンジ機だろうという大方の予想を裏切るものとなった。
問題は価格だ。ドコモで購入する場合、月額料金こそ安くはないものの、手厚い割引が付いてくる。これに対してnuroモバイルは端末の割賦代金込みで月額2980円からという低価格を打ち出してきた。だがこれは1年目の話で、2年目と3年目に料金は上がる。これではドコモと変わらないとの印象は拭えない。
だがnuroモバイルには秘策があった。端末だけでなく回線もプレミアムなものを提供し、あらゆるアップロードを無料にするというオプションだ。