国技館で焼いた焼き鳥!?
国技館では相撲をしているだけでなく、焼き鳥も焼いている。その名もズバリ、「国技館焼き鳥」(5本入り650円)! 館内の地下で焼いていて「冷めてもおいしい」と評判だ。ちなみになぜ国技館で焼き鳥かと言うと、手を地面につかず2本足で歩く鶏がお相撲さんにとっても縁起がいいからとか。
国技館は大相撲本場所開催時以外でも売店に立ち寄ることはできるのだが、コンサートなどで使用されている時は休館となってしまい、売店もやっていない。「せっかく両国まで来たのに買えない」となると、歌っているアーティストを恨みたくもなるが、そこはご安心を。駅ヨコの「-両国- 江戸NOREN」でも購入できる。ただし、人気商品の上、個数限定のため、なるべく早く購入しよう。
ちなみに-両国- 江戸NORENは、江戸の名物を集めたグルメスポットで、日本酒やちゃんこ鍋のお店もある。花火資料館の人によると、桜餅もオススメとのこと。「江戸時代から作り続けられていて、桜の葉を3枚使っている」のだそう。しかし、筆者が訪れた14時過ぎにはすでに完売だった……。
●information
国技館売店
東京都墨田区横網1-3-28 両国国技館内
-両国- 江戸NOREN
東京都墨田区横網1-3-20
メンチカツもコロッケも作り手もほんわか
両国の逸品とも言えるのが「両国メンチカツ」。店構えを見て、筆者的に一瞬入るかどうか迷ったのだが、柔らかジューシーなメンチカツ(200円)にびっくり、ふわふわさっくりなコロッケ(120円)にまたびっくり、さらに揚げている店主のほんわか感にびっくり! な、3拍子そろってのびっくり体験であった。
●information
両国メンチカツ
東京都墨田区両国2-18-3
お相撲さん御用達「あんこあられ」とは!?
お相撲さんが各地に巡業へ向かう時、お土産として買っていくのが「あんこあられ」(400円)とのこと。両国国技堂で販売している。半筒状のあられの上にあんこが載っているお菓子で、その他に「揚げあんこあられ」(430円)や「チョコあんこあられ」(480円)がある。
●information
両国国技堂
東京都墨田区両国2-17-3
ケーキみたいなあんぱんにほっこり
土地の名前が付いていると名物っぽくなるものだが、駅の東口付近にあるサンエトワール両国にも「両国あんぱん」(165円)というものがある。お相撲さんの刻印がされていて、大変かわいらしい。しかも生クリーム入りで、「グレードアップされたあんぱん!」という面持ちである。
●information
サンエトワール両国
東京都墨田区両国4-38-8
純和風、でも気になるおまんじゅう
吉良邸跡の周辺は、静かでしっとりとしている。そこに溶け込んでいるのが両国大川屋という和菓子店だ。どことなく厳かな店構えに職人気質を感じ、気軽に入ってはいけないような気がしてしまったのだが、入ってみたらこれまた人情味あふれる職人さんで、思わず長々と立ち話をしてしまった。ここでの名物は「忠臣蔵の吉良まんじゅう」(200円)。あんに、きな粉を使っているのがこだわりだそうだ。
きな粉あんのため、普通のおまんじゅうと一味違う。店主に「なぜ、きな粉なのか」を尋ねると、戦後の小豆相場からストーリーが展開していった。「安い豆に替えて作るよりもきな粉で作ってみようと思って始めたのが、今も続いている」とのこと |
●infotmation
両国大川屋
東京都墨田区両国3-7-5
駄菓子屋で絶品ピーナッツ発見
両国小学校のそばに、昭和を思わせる駄菓子屋を見つけた。店の引き戸には「ピーナッツ入荷しました」の貼り紙がされている。何か特別なピーナッツに違いないと思い、入ってみると、こぢんまりとした土間のような店内に昔懐かしい小さなお菓子が並んでいた。店主の高齢女性が笑顔で「ハイ、いらっしゃい」と声をかけてくれた。
ピーナッツは100g(カップ1杯くらい)で500円と、少々高めだが、店主にとってはかなりこだわりのあるものらしい。ピーナッツの農場を面積で契約し、収穫できたものをローストして納品してもらっているとのこと。「収穫は天候に左右されるけど、味は普通のピーナッツとは全然違うのよ」と語っていた。
●information
栗又菓子店
東京都墨田区両国4-10-1
両国は祭りも多いらしい。栗又菓子店の店主は「このへんは新しい人も受け入れてくれるし、みんな仲がいい。2つの町の境だから、お祭りも2回やって賑やか」と笑う。江戸庶民の下町文化のようなものが今も健在なのだろう。
両国は、街全体としてはビルが立ち並ぶ都会らしい地域だが、住人の雰囲気や相撲文化のためか、どっしりと地に足がついた落ち着きがあるようだ。相撲を見るためだけではなく、両国グルメと街探訪を目当てにたずねてみてはいかがだろうか。
※価格は全て税込
筆者プロフィール: 木口 マリ
執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。旅に出る度になぜかいろいろな国の友人が増え、街を歩けばお年寄りが寄ってくる体質を持つ。現在は旅・街・いきものを中心として活動。自身のがん治療体験を時にマジメに、時にユーモラスに綴ったブログ「ハッピーな療養生活のススメ」も絶賛公開中。