コーディングよりもプログラミング的思考を学ぶ

ジャストシステムの廣庭雅一氏は「プログラミング教育の誤解を解く必要がある」といいます。この誤解とは、コーディングを覚えることがプログラミング教育の目的であるという点です。

子どもがプログラミングを学ぶ本質はなんでしょう?

廣庭氏は、次のように続けます。

「1970年代は愛好家の時代。機械をいかに制御するかが重要でした。1980年代はファイル管理がポイントでした。1990年代から2000年代はOSとネットワークの時代、2010年代はクラウド上のデータをどう扱うかなど、データのハンドリングの時代です。今の子どもたちが大人になる2030年代は、どのような時代になっているのでしょうか。

大切なのは、その時代の情報技術を効果的に活用すること。時代を超えて普遍的に求められるのは、プログラミング的思考です。論理的に考える力の育成が、プログラミング必修化の本質といえます」(廣庭氏)

プログラミング的思考とは、「課題を解決するための手順を考える」「試行錯誤しながらより良い解決方法を探す」といった、ものごとを論理的に考えていく力です。

余談ですが、Microsoft創業者のビル・ゲイツが「BASICインタプリタ」というプログラミングシステムを開発したのは、1974年~1975年です

「仕事をどうやって効率化するか」「毎日の家事をどうやって時短するか」など、プログラミング的思考はいろいろな場面で大切になりますね

現在、子ども向けのプログラミング教室や教材が増えていますが、新学習指導要領において、学年ごとにどのようなプログラミング技術を教えるべきか、まだ明確な基準が定まっていないため、手探りの部分が大きいそうです。そして、「スマイルゼミ 小学生コース」の特長は2つあります。

特長1 : タブレットを使って一人でプログラミングを学べる

スマイルゼミ 小学生コースのプログラミング講座は、チュートリアルと問題で構成されています。分からないときはヒントが表示されるため、一人でも自分のペースで学習を進められます。

スマイルゼミ 小学生コースのプログラミング講座

「めいれい」を組み合わせてプログラムを作っていきます

間違えるとヒントが出てきます

特長2 : プログラミング体験を通して教科の学びを深める

算数、理科、社会といった教科の学習内容に、プログラミングを組み合わせます。授業で習った内容を別の角度で考え、他の教科で学んだ知識を活用しながら学ぶので、より理解が深まります。

小学2年生向けの算数を使ったプログラミング学習講座。リットルやデシリットルといった単位に関する理解が深まります

会場でプログラミング学習講座を試すことができました。自分が作った「めいれい」に従って、キャラクターが動き、とてもかわいい! また、歩くときや水を入れるときに効果音が出るのも、ゲームのようで楽しめます。配信される講座は、何度も繰り返し学べる内容とのことです。

【動画】音声が流れます、ご注意ください

スマイルゼミのプログラミング学習講座は、2018年3月に開講します。長期の休みにじっくり取り組めるよう、春・夏・冬に教材を配信するそうです。対象者は「スマイルゼミ 小学生コース」会員全員で、追加費用はナシ。ただし、プログラミングのみの受講はできません。

今後は、音楽や家庭科なども含めた講座も用意するそうです

国語や算数は親が自宅で教えることもできますが、プログラミングは親自身が分からない場合も多く、自宅学習には向かないのではないかと思っていました。新しく教室に通うとなると、ほかの習い事との兼ね合いや費用が気になります。しかし、自宅でプログラミングを学べるなら、時間のやりくりもハードルが下がります。スマイルゼミの他教科と組み合わせた講座は、総合的な知識の習得にもつながりますね。子を持つ親としてもいろいろと考えさせられる話題でした。