囲い込まれたソフトバンクユーザーの取り込みを狙う
ジャストフィットSIMの料金は、データ量1GBまでが990円で、以後1GBごとに500円ずつ増えていく変動制だ。月ごとに使う量が変わる人に向いており、大手キャリアではauが同様の新料金プランを導入して人気を集めている。
最大のメリットは、「iPhone 5」以降の機種ならソフトバンクのSIMロックを解除することなく使える点だ。特にiPhone 5から6までの機種はソフトバンクによるSIMロック解除に対応していないため、まさに日本通信のSIMは渡りに船といえる。
SIMカードそのものはソフトバンクから提供されていることもあり、見た目はソフトバンクのものと同じだ。iPhone Xに入れてみたところ、キャリア名も「SoftBank」と表示された。
実際に使ってみて驚いたのは、その速度だ。最近の格安SIMはユーザーの増加により混雑しており、特に昼休みや朝夕の通勤時間帯は速度低下が日常茶飯事となっている。だが日本通信のSIMは、ソフトバンクのキャリア回線とほぼ同等の速度を得られた。
時間帯や場所を変えて何度か測定してみたが、同様の結果を得られた。ソフトバンク回線自体が混んでいる場合には速度が低下するものの、まだユーザーが少ないとみられることから、日本通信が持っている帯域に余裕がある可能性が高い。
もちろん、ソフトバンクが提供する「SUPER FRIDAY」などの特典は受けられないが、そうしたサービスが不要と考えるユーザーには打ってつけだ。ソフトバンク側の仕様によりテザリングができないなどの制限はあるものの、毎月の料金が大幅に安くなるのは魅力的だ。
ソフトバンクのサポートも利用できないが、日本通信ではソフトバンクのiPhone利用者向けに専用のコールセンターを開設し、土日・祝日も受け付ける。他のキャリアに先駆けた製品展開により、高い料金を払い続けるソフトバンクユーザーを取り込めるかどうかが鍵になりそうだ。