NX850の電源ボタンは、本体右側面の一番手前に配置され、Windows Hello対応の指紋センサー兼用になった。一部のスマートフォンでも採用するスタイルであり、使っているうちに自然に馴染めるはずだ。指紋認証ログイン時などに誤って押してしまうのではとも思ったが、試用してみた限り、そうしたトラブルには遭遇しなかった。

電源ボタンの配置が変わり、指紋センサーを兼ねるようになった

従来、キーボード上部に配されていた画面ON/OFF、ボリュームの「-」「+」、マイチョイスあたりのワンタッチスタートボタンを使い慣れているユーザーには、全てのボタンを削ぎ落としたこの思い切りの良さには、やや物足りなさを覚えるかもしれない。だが、この部分はNECPCの独自デザインなので、買い替えの際に他社製品を選べばどのみち同じようには使えなくなる。割り切ってしまえば困るユーザーはほぼいないだろう。

没入感を高めるシンプルな画面周りに好印象

このすっきりしたデザインの狙いは画面への没入感だ。

狭額縁の15.6型画面に相対して作業に没頭したい時、キーボードと画面の間に気が散る要素がひとつもない。何より、画面の下に必ずあった「NEC」のロゴまで思い切って廃している。社名やブランドはアイデンティティであり、これを取り去るのは(歴史ある会社では特に)かなり勇気が要ったのではないかと思う。このひとつを取っても開発陣は画期的な判断をしたと評価したい。

NEXTのキーボードと画面の間はすっきりしたスペースになった。のっぺりと表現しても良いほど「何もない」。NECのロゴまでない

比較のために用意した、前身となる2017年夏モデル「LAVIE Note Standard NS850/HAB」(左)。NS850のキーボードとディスプレイの間には、大型のYAMAHAスピーカーや6つのボタンを配置。画面の下にはNECのロゴがある。表面がピカピカなので恥ずかしながら映り込んでしまった(右)