箱根へ日帰り旅行と言えば、交通のアクセスのいい箱根湯本や強羅を訪れる人が多い。しかし、今注目したいのは、芦ノ湖エリアだ。2017年夏以降、芦ノ湖周辺では、7月に「絶景日帰り温泉 龍宮殿本館」(プリンスホテル)がオープンし、8月にはオリックスグループ初の新築旅館となる「箱根・芦ノ湖 はなをり」がオープンするなど、話題が豊富だ。

箱根の中でも、今注目したいのが芦ノ湖エリアだ

また、2013年にオープンした、足湯に浸かりながら焼きたてパンが食べられる「ベーカリー&テーブル箱根」は、いまだに連日大盛況。その人気は衰え知らずだ。今回の記事では、箱根で二番目の高さを誇る駒ヶ岳山頂からの星空と夜景を存分に楽しめるツアーなども含め、この秋の箱根旅行にオススメしたい、芦ノ湖周辺のモデルコースを紹介しよう。

絶景足湯に浸かりながら焼きたてパンを

芦ノ湖方面へ公共交通機関で向かうには、登山電車、ケーブルカー、ロープウェーを乗り継いで「桃源台」へ向かう方法と、小田原駅東口または箱根湯本駅からバスで元箱根方面へ向かうルートがある。今回はバスを利用した。

箱根湯本駅から、渋滞していなければおよそ40分で「元箱根港」バス停に到着する。バス停の目の前に立っている、箱根神社の大きな鳥居をくぐり、100mほど先の左手に見えてくるのが、ベーカリー&テーブル箱根だ。

同店は、日本の高原リゾートの草分けとして誕生した新潟県の「赤倉観光ホテル」のパンづくりの流れを受け継ぐ焼きたてパンと、目の前に芦ノ湖が広がる足湯に浸かりながら、パンが食べられるスタイルで人気に火がついた。オープンから4年以上経つ現在も、特に休日は行列必至だ。

(左から時計回りに)人気ナンバーワンの米粉の「カレーパン」(税別320円)、3番人気の「クリームパン」(税別190円)、2番人気の箱根の「寄木細工」をイメージしたキューブ状のデニッシュパン「箱ね」(税別200円)

同店人気ナンバーワンの米粉の「カレーパン」(税別320円)は、パンの中にゆで卵が丸ごとひとつ入っており、しかも、黄身を一度取り出し、クリームで煮てから、また元に戻すという、とても手間がかかった逸品。パンの表面にまぶしたライスクリスピーの食感も楽しく、多い日は1日500個も売れ、休日は整理券を配布し、順番待ちになることもあるという。

なお、元箱根温泉から源泉を引いている足湯席の席数は全部で10席なので、混雑時はこちらも順番待ちとなる。ゆったり楽しみたいなら、ベーカリーの開店時間である10時直後を狙いたいところだ。

すぐ目の前が芦ノ湖という立地。1階はパン・ドリンク・雑貨の販売を行っているほか足湯席があり、2階はパンのイートイン&カフェ、3階はレストランになっている

●information
ベーカリー&テーブル箱根
住所: 神奈川県箱根町元箱根9-1
営業時間: ベーカリー10:00~17:00、カフェ8:30~17:00(L.O.16:30)、レストラン11:00~18:00(L.O.17:00)

芦ノ湖では遊覧船は外せない!

芦ノ湖に来たならば、やはり遊覧船は外せない。ベーカリー&テーブル箱根のすぐ近くには、「箱根 芦ノ湖遊覧船」の乗船場所がある。芦ノ湖には、別の運営会社が運行する「箱根海賊船」という遊覧船もあり、それぞれ航路が異なる。

芦ノ湖遊覧船は、箱根関所跡港・元箱根港・箱根園港・湖尻港の4つの港を結ぶ定期遊覧船で、今回は元箱根港から箱根園港まで乗船する。わずか15分ほどの短い船旅だが、周囲を山々に囲まれた、カルデラ湖である芦ノ湖ならではの景色が楽しめ、何より、湖の上を吹き抜ける風がとても気持ちよく感じられる。

芦ノ湖を行く遊覧船からは、カルデラ湖である芦ノ湖ならではの景色が楽しめる

船上から進行方向の右手を見ていると、水中に立つ箱根神社の"平和の鳥居"が最初に見えてくる。次に見えてくるのは、どっしりとした風格がある、まるで宇治の平等院鳳凰堂のような建物だ。この建物が、後ほど訪れる「絶景日帰り温泉 龍宮殿本館」だ。

●information
箱根 芦ノ湖遊覧船
運賃: 元箱根港~箱根園港は片道760円
※濃霧・強風等天候不順の場合は安全のため、ダイヤの変更または運航を中止することがある