画面の外に見えないスピーカーがある!
今回のセミナーでは、実際にMatebook Xの正面に座り、ドルビーの用意するデモムービーを再生してドルビーアトモスサウンドシステムの効果を体験した。
視聴してみてすぐに感じたのが、音の広がりとヌケ感の驚異的な高さ。文字通り画面の外から音が聞こえてくる。左右や背後はもちろん、足元や天井方向から聞こえるべき音が聞こえてくるのだ。音圧がそこまで高くないため、音に包まれるという感じではなく、まるでないはずの場所に見えないスピーカーがあってそれが鳴っているかのような印象を受けた。
頭の上で鳴きながら飛ぶ鳥の声や、木の葉が擦れる音、風切り音、足元では小川のせせらぎ。金属やガラスの音、広がる炎、水中の気泡、ボールの飛ぶ音と転がる音、人々の歓声などなど、いずれも個々の音が混ざってぼやけず独立しており、立体感にあふれている。人が喋っている声もよく聞こえるし、ボリュームを最大まで上げても確かに音が割れていない。ほんの数分のデモなのに、見ているうちに映画館に行きたくなった。
興味深いのは、Matebook Xの正面に座るユーザーの耳に最適化されているため、横や後ろにいると立体感が一気に失われることだ。間違いなくPCから音が出ているんだなと分かり、ある意味ほっとする。
Matebook Xの体験のあと、今度は天井や足元にもスピーカーのある「Dolby ATOMS 7.1.4サラウンドデモルーム」に移動して、Matebook Xで再生するデモムービーと同じものを再生し、聞こえ方の違いなどを体験した。
スピーカーの大きさや、デモルームと防音壁の効果もあるため、音圧はまったく違うし、セミナールームの余計な音もなく音響も整えられていて、小さな音までとてもクリアに聞こえる。だが、音の移動感に関してはMatebook Xはデモルームと遜色のないレベルで再現しており、従来のノートPCとは一線を画す高い没入感が実現されていることを、かえって実感できた。
Matebook X本体はといえば、13型ながらA4サイズよりもコンパクトで、厚さは12.5mm、重量は1.05kgと、モビリティの高さに目が行きがちだ。第7世代Intel Core i7 / Core i5を搭載しながら、ファンレスによる静音性の高さも目を引く。指紋センサーと電源ボタンが一体化しているのも特徴的で、一見、ビジネス向けととらえてしまいそうだ。
しかし、実は別途スピーカーセットなどを導入しなくても、高い臨場感で音と映像が楽しめるエンタメ性能も高い。ビジネスにも使え、オフタイムには映画やゲーム、音楽などをもっと気軽に、よりハイクオリティで楽しみたいユーザーには、大変魅力的な選択肢といえるだろう。