サポカーとは何か
サポカーとは、日本政府が普及を目指すコンセプトだ。自動ブレーキを搭載したクルマを「サポカー」と呼び、そこにペダル踏み間違い時加速抑制装置などを加えたクルマは「サポカーS」と呼ぶ。政府はサポカーSを「特に高齢運転者に推奨する」クルマと位置づけている。
サポカーSには、自動ブレーキの機能によって「ベーシック」「ベーシック+」「ワイド」の3つの区分がある。これまでのデミオは「ベーシック+」に区分されるクルマだったが、今回の商品改良で「ワイド」にランクアップした格好だ。
主要6車種の全てが「サポカーS・ワイド」に対応
今回の商品改良により、マツダが国内で販売する「デミオ」「アクセラ」「アテンザ」「CX-3」「CX-5」「CX-8」(予約販売中)の主要6車種が全て、「サポカーS・ワイド」に対応することになる。これが、今回の商品改良で最も重要なポイントだ。
クルマはグレードによって価格に違いがあり、グレードごとに安全装備の内容が異なることもあるが、購入代金の多寡でクルマの安全面に差がつくのは、考えてみると少し違和感がある。内装の豪華さやエンジンの排気量などで価格が違ってくるのは分かるが、最低限の安全性能は、どのグレードでも担保しておいて欲しいと思う人は多いのではないだろうか。
クルマを購入する上で、安全装備の内容を重視したいと考える人にとってみれば、マツダの商品展開は分かりやすい。同社の主要6車種は今後、どのグレードを購入しても「サポカーS」の最高ランクである「ワイド」に該当していることになるからだ。
値段でクルマの安全装備に差を付けたくないというのがマツダの考え方だ。ちなみに、商品改良後の「デミオ」の価格は税込み139万3,200円~226万2,600円。「13C」というグレードで比べると1万800円の値上がりだが、マツダによると、追加した装備に対して価格は「頑張って抑えた」という |
マツダでは今後、「ロードスター」でも安全性能の拡充を進める考えだという。スポーツカーであるというロードスターの性質上、重量を大幅に増やさないよう気を付けつつ、スタイルを崩さずに安全装備を導入する必要があるため技術的ハードルは高そうだが、デミオの商品改良に関する説明会でマツダ商品本部・副本部長の猿渡健一郎氏は、「(マツダが提供すると言い続けている)『走る歓び』は、安心・安全が担保されて初めて味わえるもの」とし、全車種で安全性能を追求する姿勢を明確に示していた。