クルマを買う時、複雑なのはグレードによって価格に開きがある点だ。同一車種でも相対的に価格の低いグレードでは、安全装備が充実していなかったりする。そういった分かりにくさに対応すべく、マツダは小型車「デミオ」の商品改良を行った。
「デミオ」の安全装備が充実、特別仕様車も登場
マツダでは商品の発売後も適宜「商品改良」を行うことにより、市場投入から時を経たクルマにも最新技術を導入してアップデートし、その商品の価値を落とさないようにしている。準備ができた技術から、既存車種に横展開していくというのが商品改良の基本的な考え方だ。
1996年に初代が登場し、現行モデルが4代目となる小型車「デミオ」では今回、先進安全技術「i-ACTIVSENSE」(アイ・アクティブセンス)の採用を拡充し、赤を基調とする内装の特別仕様車「Noble Crimson」(ノーブルクリムゾン)を新たに設定した。予約は始まっており、発売は12月7日の予定となっている。
自動ブレーキの作動範囲が拡大
安全面で機能が向上した点を具体的に見ていくと、今回の商品改良でデミオには、車両だけでなく歩行者も検知できる「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート」のほか、「車線逸脱警報システム」や「ハイビーム・コントロール・システム」といった機能も標準装備となった。標準装備とはつまり、デミオであればグレードに関わらず、これらの機能が付いてくるという意味だ。
これらの機能が追加となったことにより、デミオは日本政府が普及・啓発に取り組む「セーフティ・サポートカー」(サポカー)の中でも、最も安全装備が充実した区分である「サポカーS・ワイド」に該当することとなった。では、サポカーとはどういうクルマで、デミオが「ワイド」該当となることはマツダにとってどういう意味を持つのだろうか。