スマホを補完する役割に期待

米国での盛り上がりを背景に日本でも期待されるスマートスピーカーだが、アマゾンの優位性はほかにもある。

まずは音楽サービスとの連携だ。グーグルのPlay Musicに対抗して、アマゾンも4000万曲が聞き放題の「Amazon Music Unlimited」を国内で開始する。アマゾンのサイトで買い物するときと同じ「レコメンデーション」機能があり、4000万曲の中からユーザーが気に入りそうな曲をおすすめしてくれる。

大型のEcho Plusは部屋にストリーミング音楽を流すのに適している

価格の安さも突出している。プライム会員向けキャンペーンでEchoは4000円引き(Echo Dotは2000円引き)だ。音楽も基本は月額980円でグーグルと同じだが、プライム会員は780円、さらにEchoだけで使えるプランは380円で提供する。ストリーミングの普及が遅れている日本だが、これを機にまずは試してみようという人が増えそうだ。

家庭内をスマート化する「スマートホーム」の実現も見えてきた。たとえば「スマート電球」の電気を消すのにスマホのアプリを立ち上げるくらいなら、壁のスイッチで消したほうが早いと思える。だがAlexaなら「アレクサ、電気を消して」とお願いするだけなので、スマホに手を伸ばす必要はない。

ロボット掃除機の「ルンバ」もAlexaに対応し、音声で「動かす」「止める」操作が可能になった。さすがにAlexaを理由に家電製品を買い換えるのは難しいが、ソフトバンク コマース&サービスが販売する「スマート家電コントローラ」を使えば、赤外線リモコンに対応した家電をAlexaで操作できるという。スマホより便利な音声という操作方法は、スマートホームの普及を後押しするだろう。

ベッドの中から音声で電気を消せる、というスマートホームも実現する

ほかにも多数の企業がAlexa対応を表明しており、音声アシスタントの本命になる可能性は高い。その先には、アマゾンが持つ買い物やコンテンツのプラットフォームをさらに強化するという狙いが見えてくる。