ゆうきちゃんが書いたからこそ大切にしなきゃ

――若井さんが作詞・曲を担当したソロ曲「Growing days」。

若井 「Growing days」は2年くらい前から書き溜めていた曲なんです。私が岐阜から東京に来るときの思いを歌詞にしました。でも、私自身に書いたというよりは、何かをはじめようとか夢にむかっている人への応援歌になったらいいなと思っています。

――作曲の方はいかがでした?

若井 すぐ出来ました。これは、降りてきました。

澁谷 降りてきた!?

芹澤 ゆうきさん違うわ―!!

茜屋 言ってみたい。

若井 いやいや。"なにもできやしないんだって 自分で扉閉ざさないで 世界はきっと 僕を待ってる"のところはちょっと考えたけど、歌詞とメロディはスンッて降りてきて、それを合体! って感じでした。

――曲先とかでもなく?

若井 詞と一緒でしたね。

芹澤 一緒に降りてきたんだね。

茜屋 なかなかの逸材だ。

芹澤 メロディ工場だ。

澁谷 工場長!

若井 いやいやいや(笑)。

――工場長は普段から詞と曲を一緒に考えられるんですか?

若井 一緒に考えることが多いですね。ブワーッと詞を書いておいて、そこからメロディを作って、ことばをいじっていく、みたいな。

――ソロ曲ではない「パズル」も作詞・曲を担当していますよね。

若井 「パズル」の方が苦戦しましたねー。みんなに届けたいということだけではなく、メンバーのことをフューチャーして書きたいと思ったので。i☆Risは5年間活動してきて、i☆Risとしても個人としても夢があって、そこにもっと羽ばたいていきたいという思いを大事にして書いたんです。あったかい歌にしたかった。

芹澤 天才だなと思いました。この曲はゆうきちゃんにしか書けない。ゆうきちゃんが書いたからこそ、大切にしなきゃいけないという感情があるからね。

澁谷 曲に対しての向き合い方がぜんぜん違ったね。

芹澤 そーなの。うちのかわいい末っ子が作ったんだからねって

茜屋 私、歌手になりたかった中学生のとき、こういう曲を歌いたかったって思ってたよ。

若井 うそー、うれしい!

茜屋 夢を思い出した感じで、うれしかったー。

――久保田さんのソロ曲は「Lovely Time」。初のソロ曲ですね。

久保田 はい。キャラクターソングではなく、久保田個人としてソロで歌うのは今回がはじめてなので、楽しい歌に出来たらいいなと思っていました。「Lovely Time」は、この5年間で築き上げられてきたアイドル・久保田未夢のキャラクターソングといった感じですね。私のパーソナルな部分というよりは、アイドルとして歌っているというイメージです。なので、レコーディングのときもアイドルモード全開で、ライブみたいな感じで歌わせてもらいました。

――やっぱり気になるのは曲中にある"魔法の呪文"です。

久保田 そうなんです。「(U^ω^)わんわんお!」。作詞のeNuさんにはよく調べていただいて、ありがたいです。あと、私はi☆Risではメインの部分とかを歌わないので、落ちサビを歌っているのは、ファンのみなさんからしたら新鮮なのかなと思いました。そういったところも聴きどころかなと思います。

――最後は、澁谷さんのソロ曲「DETERMINE」。

澁谷 この曲は、私が自分から大好きなギタリストのYOUSAYさんにお願いして作ってもらいました。「YOUSAYさんのギターを存分に入れてほしいです」とリクエストしたんですけど、それだけではなく、シンセサイザーとか私が好きなエレクトロな音もたっぷり入れています。

――作詞はROOKiEZ is PUNK'DのSHINNOSUKEさんとの共作ですね。

澁谷 どっちかというと自分のために書いた詞なんですけど、他の人がこの詞を読んだときに共感できるようなものにしたかったんです。自分だけでは完結しないことばのチョイスというか、手紙にしたかったんですよ。

――バンドサウンドというところも意識して。

澁谷 i☆Risだけではなく、バンドもやりたいという気持ちがあるんですよ。楽器をかき鳴らして歌うライブというイメージの音楽もやっていきたいんです。今回、バンドサウンドの楽曲を作っていただいたことによって、近いうちに生バンドを自分で企画してやるんだろうなー……という妄想をしています。いや、します。

――布石だったんですね。

澁谷 そう願っています!

澁若山、結成秘話

――Bonus trackとして「扇子・オブ・ワンダー☆」も収録されています。3rdライブツアー「i☆Ris 3rd Live Tour 2017 ~Fan+6=∞~」で、山北さん、若井さん、澁谷さんの「澁若山」で初披露した楽曲ですけど、結成の経緯は?

若井 経緯はノリだったんですよ。

澁谷 「Daily Berry!!」の宣材写真の撮影で、たまたまこの3人でネタっぽいポーズを撮ったら、なんかやけにしっくり来て、これいいじゃんってなったんです。「曲も作るか」ってマネージャーさんもノリノリで。

若井 澁若山というユニット名も一瞬で決まって、「じゃあ和の曲だね」「なら扇子を使う振り付けかな」って。

――きっかけは「Daily Berry!!」だったんだ……。作詞が山北さん、作曲が若井さん、編曲が澁谷さんという贅沢な楽曲ですよね。

澁谷 いざ曲を作るとなって……、まあ大変でした。

――まずは作曲から?

若井 はい。和の曲を作るのははじめてだったんですよ。和ロックぽい曲を作ったら、なんか自分らしくないし、パッとしなかったんです。私が素直に出せるキャッチーで素直なメロディを作ったらうまいこといきました。それをふたりが面白く装飾してくれましたね。

澁谷 エアホーンとか入れたからね。迷ったけど、やっぱり自分らしさ、DJずっらしさを勝手に入れてしまいました。

若井 ぷゎおーんってね。

澁谷 ゆうきちゃんがまず作曲したものを送ってきて、編曲がはじまったんですけど、めちゃくちゃ苦戦しました。過去にたいちょうさん(大地葉)と曲を作ったことがあるんですけど、たいちょうさんが7~8割作ったものをアレンジするだけだったので、ピアノだけの音源に装飾しないといけなかったんです。ずっと徹夜して気合いを入れて作った状態でさきさまに投げたんですけど、上がってきた歌詞が、「なんてこった」って(笑)。これはさきさまにしか書けない詞だなと思いました。

山北 なんかすいません(笑)。

――でも、山北さんぽさはものすごく感じました。澁谷さんの言うとおり、これは山北さんにしか書けない。

山北 澁若山でやろうとなったとき、名前が名前だけに、半分ネタ的な感じなんだろうなとは思ったんです。バラエティ番組の企画でCDを出すみたいな。でも、そういう「ネタだけど良い曲」ってパターンが多いので、そういうイメージだなって。そう思っていたらところに、ゆうきちゃんから曲がきて、メロディがきれいだったから、これはやばいなと(笑)。

――ネタにならないぞと。

山北 このまま歌詞を乗せたら普通の曲になりそうだったんです。だから、曲はいいのに歌詞はなんじゃこらみたいな、甘辛ミックスみたいにしてやろうと思ってひねり出した結果があの歌詞です。

――なんじゃこらみたいな歌詞は苦労なく?

山北 50TAさんとかお笑いの歌が好きだったので、割と出てきましたね。でも、書いたあとにずっちゃんに送ったら「2番のBメロはラップにしようと思うんだ」と提案されて、初作詞で初ラップかーって思いながら(笑)。Bメロは3人の名前を入れて、それぞれが味わった挫折を入れつつ……といったストーリーになっています。意味がわからないようなことを書いているようで、意味がわからない歌詞はひとつもないんですよ。i☆Risファンの方なら、なんとなくわかると思います。謎解きしながら楽しんでもらいたいですね。

――そして楽曲が出来上がってツアー中に披露。その後にファンクラブでタイトルを募集していました。結果「扇子・オブ・ワンダー☆」に決まったわけですけど、ほかにはどんなタイトルが?

山北 タイトルは最後まで迷ったよね。

澁谷 対抗するかのように、芹茜久保みたいなのあった。

茜屋 語呂悪すぎ(笑)。

若井 「しゅき」とだけ書いてあるやつとかね。

山北 あとはドレッシングパフェとかねー(笑)。

絶対にまた武道館で

――そして、11月6・7日にはデビュー5周年記念ライブ「i☆Ris 5th Anniversary Live~Go~」が開催されます。11月6日の「デビュー前夜祭」では、ファン投票によって選ばれた楽曲を歌うというコーナーが見どころですね。

若井 投票はかなり絶妙なバランスでしたねー。何年ぶりかにやる曲もあったり、やっぱりこれ好きなんだなって王道な曲もあったり。

澁谷 私たちにとってはしんどいセトリ(笑)。

久保田 一位は意外だけど、納得って感じでした。

芹澤 (一位の楽曲が)大好き!

若井 これ一位になったのかーってね。

――7日はアゲアゲでやるとのことですが。

山北 王道i☆Risって感じですね。

芹澤 鬼の王道セトリ。あと、個人的には7日に姪っ子がはじめてライブに来てくれるんです。これまで私が出演してる子ども向け作品は全部観ているので、もう最高にうれしいだろうなって。4歳になったから、やっとライブに顔が出せるんです!『プリティーリズム・レインボーライブ』の年に生まれて。

若井 『プリパラ』と一緒に生きてきた。

芹澤 そ~プリパラ娘!

――さて、昨年の11月25日の武道館公演からそろそろ一年。振り返ってみてどういう一年でした?

若井 光の速さでした。5年間で一番はやく感じた一年間でした。

芹澤 ミートゥー!

茜屋 私も、必死だった。

若井 みんな充実してたんだろうなって。自分のこともi☆Risのことも。毎日いろんな刺激があったからこそ、はやく感じたんだろうなー。

久保田 武道館で公演してから、「i☆Ris知ってる、武道館でやった子たちでしょ」って言われることが多くなったよね。

山北 自分のことをゆっくり、いろいろ考えられる一年になったのかなって。武道館でやるまでは、武道館という目標に向かって精一杯だったので、終わって改めて一人ひとりは何をしたいのか、何をするべきなのかを試せる一年になったんじゃないかなって。

――武道館の最後の山北さんのMCは感動しました。

山北 ありがとうございます! そうなんです、しぼまないようにと思っています。絶対にまた武道館でMCをしたいです。

i☆Ris、3rdアルバム『WONDERFUL PALETTE』

発売日:11月1日
共通収録内容
CD
01 Shining Star
02 Re:Call
03 Daily Berry!!
04 イチズ-武道館Ver.-
05 Ready Smile!!
06 Heart Crash! (山北ソロ曲)
07 キミノカノウセイ(芹澤ソロ曲 本人作詞)
08 Dear...(茜屋ソロ曲 本人作詞)
09 Growing days (友希ソロ曲 本人作詞・作曲)
10 Lovely Time(久保田ソロ曲)
11 DETERMINE(澁谷ソロ曲 作詞・共作)
12 WONDERFUL PALETTE
13 Feel it
14 パズル(友希 本人作詞・作曲)

Type-A(CD+Blu-ray)
価格:6,800円(税抜)
Blu-ray Disc
「i☆Ris 3rd Live Tour~Fan+6=∞~」中野サンプラザ公演(夜)/off shot Movie

Type-B(CD+DVD)
価格:4,300円(税抜)
DVD
「i☆Ris 結成5周年記念Live~5 years old! Everyone comes together☆~」off Shot Movie
「 i☆Ris 2nd Live Tour 2016 ~Th!s !s i☆Ris!!」@Zepp Tokyoから4曲収録
01 鉄腕ガール
02 Baby...
03 Fanfare
04 Raspberry night

Type-C(CD only)
価格:3,250(税抜)
CD Bonus Track
15 扇子・オブ・ワンダー☆(作詞・山北、作曲・友希、編曲・澁谷)

Type-A(CD+Blu-ray)

Type-B(CD+DVD)

Type-C(CD only)

i☆Risライブ情報

●i☆Ris 5th Anniversary Live~Go~
日程:11月6・7日
時間:開演18:00/開演19:00(両日)
会場:府中の森芸術劇場 どりーむホール