「DS7クロスバック」が日本初公開に

つまり、今回の東京モーターショーは、DSブランドにとっては2度目ということになるのだが、以前にも増して力が入っていることがうかがえた。

一般公開日に先駆けて開催されたプレスデーからしてそうだった。なんと、駐日フランス大使のローラン・ピック氏がわざわざ東京ビッグサイトに駆けつけ、プレスブリーフィングでスピーチしたのだ。そして出展車リストには、日本初公開となる「DS7クロスバック」の名があった。

既存のDSブランドの最上級車種はDS5。つまり、DS7クロスバックは新たなる最上級車ということになる。それを立証するように、今年5月にはエマニュエル・マクロン新大統領の就任パレードにも使われた。

「DS7クロスバック」はフランスのマクロン大統領が就任パレードに使ったクルマだ

DS7クロスバックは今年3月に開催されたジュネーブ・モーターショーで発表されたばかりで、マクロン大統領のパレードが初の公道走行だった。そんな経緯もあって、駐日フランス大使がブースを訪れたのかもしれない。

パリの「リュクス」を語るDSブランド

では、DSブランドとはどういう位置づけなのか。以前、プジョー・シトロエン・ジャポン代表取締役社長のクリストフ・プレヴォ氏にうかがったところ、セーフティやパワートレイン、インテリアなど、プレミアムブランドが備えるべき最低限のルールは押さえたうえで、パリの「リュクス」(luxe)、つまりはラグジュアリーな世界をクルマを通して見せていくことをコンセプトとしているという答えが返ってきた。

パリの「リュクス」を語ることをブランドコンセプトとするDS

フランスはファッションやグルメなど、文化的な部分では世界をリードする地位にある。その核となっているのが花の都とも言われるパリであり、ラグジュアリーなホテルやレストラン、ブランドショップなどが集結し、世界へ向けて魅力を発散している。

フランスのラグジュアリーブランドは職人による手仕事が多い。レストランについても同様だ。しかも、長きにわたる伝統を継承しながら、フランスらしく常に前衛的でもあり、大人の遊び心を盛り込むことを忘れない。同じパリ生まれのDSは、こうした文化的価値をクルマに盛り込んだ存在と言える。