一時期に比べると輸入車の出展が減っている今回の「第45回 東京モーターショー2017」。そんな中で、2年前に登場した新しいブランドがある。フランスの「DS」だ。初めて目にする人も多いだろうこのブランドの魅力を、日本初上陸の「DS7クロスバック」を例にとって紹介していこう。
国際色が薄れるモーターショーで最新の輸入乗用車ブランド
開催中の東京モーターショーに関係するニュースのひとつとして、輸入車の出展メーカー数が減少しているという話題があった。イギリス車やイタリア車の参加はなく、アメリカ車は2輪車のハーレーダビッドソンのみ(出展車両は3輪のトライク)、カナダのBRPもトライクを出展したが、4輪乗用車の出展はドイツ、フランス、スウェーデンの3カ国に限られた。
これは東京モーターショーに限ったことではなく、自国にメジャーな自動車ブランドを持つドイツのフランクフルト、フランスのパリで行われるモーターショーも、近年は参加を見合わせるブランドが増えている。
中国の上海など、新興国のモーターショーはそういうことはなく、自国にメーカーがないスイスのジュネーブショーも賑やかだが、それ以外は北米各地で行われるモーターショーを含め、国際色が薄れつつある。
そんな状況の中でも参加を決断した合計計11の輸入乗用車ブランドの中で、最も新しいのがフランスのDSである。
シトロエンのプレミアム路線が奏功、高まるDSの存在感
「DSって昔のシトロエンの車種じゃないの?」と思う人もいるだろう。確かに、1955年に発表され、フランスを代表する高級車として20年間君臨したクラシックDSはシトロエン・ブランドだった。
しかし、21世紀に入って、シトロエンは既存のラインナップよりプレミアム感を高めたラインを構想。2010年に最初の車種である「DS3」を登場させると、翌年には「DS4」、2012年には「DS5」を立て続けに発表する。これらのモデルはすべて好評を博した。
そんな状況もあって、シトロエンとプジョーを擁するPSAグループはDSブランドの分離を決断した。欧州では2014年、日本では翌年に開催された前回の東京モーターショーで、独立したブランドとして歩むことを決意表明したのだ。
DS3/4/5の3車種はこれ以前に登場していたので、シトロエンのエンブレムであるダブルシェブロンをフロントマスクに掲げていたが、短期間のうちに、メッシュグリルにDSの文字を乗せたグリルに付け替えられた。