世界中の番組が取引されるフランス・カンヌの見本市「MIPCOM」(ミプコム)のレッドカーペットを、女優の宮崎あおい(※崎の大は立)が歩いた。主演ドラマ『眩(くらら)~北斎の娘』(NHK)を海外バイヤーにアピールするために来場し、アメリカやイギリスなど強豪がそろう世界のドラマPR合戦に加わったのだ。そんな宮崎を現地で直撃し、作品の感触や込めた思いを聞いた――。


『眩~北斎の娘』がワールドプレミアに

「MIPCOM」に参加した宮崎あおい (C)360 MEDIAS

毎年10月にフランス・カンヌで行われる世界最大規模の番組見本市・MIPCOM。今年は10月16日から19日まで開催され、110カ国・地域から、総勢約1万4千人の業界関係者が、ドラマやアニメ、ドキュメンタリー、バラエティを売り買いするために集まった。

その顔ぶれは常連のソニーや、ディズニーグループの大手スタジオをはじめ、各国の放送局からハイエンドドラマにこだわるNetflixやAmazonなど配信系まで幅広い。今、最も流通活発なコンテンツがドラマであり、多くの新作ドラマが並ぶ中、宮崎あおい主演、NHK制作の『眩~北斎の娘』が「4Kアジアワールドプレミアスクリーニング」作品として上映されることになった。

葛飾北斎と、宮崎演じるその娘・お栄の物語を描いた直木賞作家・朝井まかて氏の小説を、大森美香氏の脚本でドラマ化し、日本ではNHK総合テレビで特集ドラマとして今年9月18日に放送されたものだ。

上映前日、フランス語で「コート・ダ・ジュール(=紺碧の海岸)」と呼ぶ海岸沿いにあるMIPCOMの会場で、フォトコール(公式写真撮影)を終えた宮崎に、まずはカンヌの印象を聞くと、「NHKや各国のブースが並ぶ会場を歩き、世界中の映像関係者の方が一堂に会する様子を目の当たりにしただけでワクワクしました。幸せな空間に自分も参加させてもらっているという実感が増しました」と笑顔で応えてくれた。

『眩~北斎の娘』より=NHK提供

キャサリン・ゼタ=ジョーンズに続いて登場

そして宮崎は、続いて行われたMIPCOMオープニングパーティーのレッドカーペットに登場。こちらの会場は、一流ホテルやブティックが立ち並ぶクロワゼット通りにあるひと際目立つベルエポック様式の白亜の建物「インターコンチネンタル・カールトン・カンヌ」だ。各国の報道陣が囲まれながら、新作ドラマ『コカイン・ゴッドマザー』のPRで来場したキャサリン・ゼタ=ジョーンズらハリウッドスターに続いて、ドラマ『眩』のタイトルがコールされると、宮崎が颯爽と現れた。

(C)Yann Coatsaliou

制作統括の佐野元彦氏(NHKエンタープライズ)、演出の加藤拓氏(同)と共にレッドカーペットを歩き、「いろいろな国の方が声をかけてくれたのでうれしかったです。本当に光栄です。明日の上映会では大きなスクリーンで皆さんと一緒に観ることを楽しみにしています」と、その場で期待の言葉を寄せた。