そして昨年9月以降、リブランディングを行い、店舗改装を含めた取組みも進めた。新しいかっぱ寿司を知ってもらう"きっかけ"にしたかったのだ。
しかし、一度離れたお客は急には戻らない。リブランディングで進めた取組みに、ある程度の効果はあったとするものの、さらなるテコ入れが必要だった。味には自信があるが、それを知ってもらう機会がない。そのことが今ではかっぱ寿司の経営課題となっている。そこでより多くの人に味を知ってもらおうと誕生したのが"食べ放題"なのだ。
「コロワイドグループに入り。ネタの品質向上に取り組んだ。リブランディングを行ったのも、味の向上を知ってもらう機会にしたかった。今回の食べ放題ももっと知ってもらいたいというのが大きな動機になる」(澄川専務)
かっぱ寿司が今一番重要視すること
食べ放題企画の数値上の結果は、先に記したとおりだが、一歩踏み込んで伝えたいのは、食べ放題の結果に対する経営陣の所感だ。
大野健一社長は「食べ放題をきっかけに、またかっぱ寿司に行ってみたい、というお客が増えた。認知度も上がった。かっぱ寿司っておいしくなったよね、という声をいただく機会が非常に増えている」と話す。澄川専務も「今までいなかった客層、高校生の姿も多く見えた。おいしいという声も多く大変励みになっている」とする。
利益の面からこうした企画の結果をみてしまいがちだが、かっぱ寿司の過去を振り返れば、こうした経営者の所感のほうが大きな意味を持つ。新生かっぱ寿司の味を知ってもらい、次回の来店に期待することのほうに重きが置かれているからだ。そう考えれば「新しいかっぱ寿司を知ってもらうこと」がかっぱ寿司にとって最重要になると考えられる。
今回の発表では、別の取組みも発表されている。それは、寿司一貫を一皿50円で提供するトライアルを11月下旬から一部店舗で開始すること、平日昼限定のランチメニューやサービスを提供する「ハッピー平日かっぱ寿司」を2018年1月から開始することだ。いずれも「新しいかっぱ寿司を知ってもらう」ための関連施策として位置づけることが可能だ。