チェキの需要は増加している

デジカメの台頭によりフィルムカメラはほぼ絶滅状態となり、一部でトイカメラなどがブームになったものの、35mmフィルムのほうもほとんど店頭から姿を消してしまった。

こうした状況は国内でフィルム最大手だった富士フイルムにとっても危惧するべき状況であり、同社もプリント需要の拡大に知恵を絞っているが、実はフィルムなどを扱う同社のイメージング事業において、チェキシリーズおよびそのフィルムは、世界的にも毎年成長を続けている分野なのだという。

富士フイルムのイメージング事業の売り上げと、その中に占めるチェキ関連の売り上げ。毎年チェキ関連が増加していることがわかる

チェキフィルムを使ったカメラの販売台数も右肩上がりになっている。特にアジア圏で人気が高まっているそうだ

こうしたチェキ人気を受け、かつデジタルカメラからの出力需要を拡大する上で、今回富士フイルムが目をつけたのがインスタグラムをはじめとするSNSの写真だった。今や飲食店などがインスタグラマー目当てに盛り付けなどにこだわった品を用意しているほどで、全世界で7億人、日本でも約2000万人が利用しているというインスタグラムの利用者にアピールできれば、かなりの需要を見込めるというわけだ。

スクエアフォーマットでは、実際に出力されたものを壁などに貼って楽しむことが提案されており、きれいに並べて額装したり、テーマを合わせて複数枚を組み合わせることでアート性も高まる。通常の写真プリントよりもフチが大きく、用紙の厚みもあるチェキフィルムは、独特の存在感があり、単独で飾ってあるだけでも絵になるところがある。自分できれいな写真が撮れないという人でも、SNSでお気に入りの写真を探して印刷すればいい。

会場では実際に部屋に写真を貼った様子をシミュレーションした展示も。インスタグラムの主要ユーザー層である20~30代に対してかなり訴求力のありそうなディスプレイだ