同年代とは違う大人の男性の魅力
――会見では「年の差恋愛もいいな」とおっしゃってましたが、どんなところに大人の男性の魅力を感じましたか?
自分が知らないものを知っているからこそ、頼りたくなります。安心できる気持ちになるし、余裕を感じると、やっぱりかっこいいなと思います。そういう瞬間は初めてだったので、今回の映画を通して、年上の方が全部受け止めてくれる安心感と、居心地がいい感じは素敵だな、こんな恋ができたらいいなと思いました。
――同年代とはやっぱり違いますか?
違いますね。同年代、特に『ちはやふる』のメンバーは、別の現場で会っても、兄弟が来た、みたいな感覚になるんです(笑)。仲良くはなるし、安心感もあるんですけど、「きゅん、かっこいい!」よりは、「おお~い、元気か~!」みたいな。信用できる、友達以上の大切な人たち、という感覚です。
今回はラブストーリーだったから、余韻に浸っているということもあるのかもしれないですけど、未だに生田さんとしゃべる時に緊張する瞬間もあるし、野村周平くんに気安く「いえ~い!」と言うのとは違うから、この感じ、野村っちとかには見せられないと思います(笑)。
――生田さんは今33歳ですが、もっと上の方ともまた違った感覚でしょうか。
『三度目の殺人』で共演させて頂いた福山雅治さんや役所広司さんは、「なんかあったらいつでも言って!」とか、「変な男に捕まるなよ!」とかいろいろと心配してくださって(笑)。優しいお父さん、というような距離感になるので、逆にいろいろ話せるんです。生田さんとは、普通にお話はするんですけど、深く入れず、好きな食べ物くらいしか聞けなくて。だからこそ、「もっと知りたい」と思う響の気持ちもすごくわかるので、恋愛でこんな気持ちを抱くんだなという勉強にもなりました。
――実際の高校ではかっこいい先生はいましたか?
いなかったです!(笑) 担任の先生はかっこよかったんですけど、ものすごく真面目でした。先生のことは大好きなんだけど、みんな友達みたいな感覚でした。その距離感とはまた違ったので、「学校に来ている感じ」だと思いました。
モテる役をやりたい?
――今回は初の本格恋愛映画ということですが、今後はどんな恋愛作品に出たいですか?
大人のラブストーリーは憧れます。私は自分から相手を好きになる役が多いんですが、お姉ちゃん(広瀬アリス)は割とモテる役なんですよね。家族でも「お姉ちゃんはいつも誰かから想われてる」という話をしたくらいです(笑)。だから、冷静な女性のラブストーリーもやってみたいです。
――それでは、最後に『先生!』の中でここはぜひ見てほしい! というポイントを教えてください。
瞬間瞬間の、伊藤先生がかっこいいんです。メガネを「んっ」てあげる時とか。ぶっきらぼうとまでは言わないけど、自分に関心がない感じのボサボサ感やだらっとした感じが、逆にかっこいい。でも伊藤先生がだんだん響と反転して、子供のように見えていく瞬間がちょっとずつあるんです。響がまっすぐな気持ちを伝えるたびに、1人の男性として、1人の女性を見るような目で見てくれて。
「同じ気持ちなんだ」とわかった瞬間に、響は伊藤先生のことを、”大人の男性”や”先生”ではなく「自分の好きな人」という目で見れるようになるし、お客さんも響きの気持ちになってもらえると思います。そこはいろんな関係性が、ちょっと崩れるポイントなので、注目してもらえたら嬉しいです。響の感情のままに時間がゆっくり流れていたり、急いでいたり、映像も音楽も光もすごく素敵なので、どっぷり三木ワールドに浸かって欲しいです。