ネットワーク向けのソリューションを拡充、ルータ新製品も披露

Network(Router)製品では、7月に「RT2600ac」を国内投入し、高い評価を得ているが、1台の機器ではどうしてもカバー範囲に制限が出てしまう。これを解決する製品としてSynology Mesh Routerを発表した。

新製品として予告されたSynology Mesh Router

最大7台のMesh Routerが連携し、相互接続することで範囲を増強。ユーザーは同一SSIDで接続できるようになる。meshという名前から連想できるようにネットワークの自動マネジメントや自動修復に対応する。国内での販売時期は未定。

7月から発売されたプレミアムルーターRT2600acを補完するのがSynology Mesh Routerとなる

meshという名前が示すように複数のルーターを組み合わせる。スライドには書いていないが無線だけでなく有線でノードを組むことも可能だ

複数のMesh Routerで幅広いエリアをカバーする。親機としてRT2600acを利用するとアクセラレーター機能も利用可能

ルータ管理するOSSRM(Synology Router Manager)では、NAS向けOSのDSM(DiskStation Manager)同様webブラウザを通じて利用でき、機能拡張にも対応する。SRMの機能として必要に応じて、トラフィック解析やコネクションの切断、制限を簡単に行えると紹介した。

ルータもweb上で管理可能。機能は高く、不正な通信が発生したようなケースでは解析や遮断、接続ルール付けも行える

Synologyではネットワーク関連の取り組みとして、特にセキュリティを重要視しているという。社内ではPRISMと呼ばれるチームが脆弱性の解析と対応を24時間以内に行い対応する。最近話題となったKRACKsと呼ばれるWPA2の脆弱性に関しても、24時間以内にセキュリティパッチをリリースしたという。

また、製品の脆弱性に関してCNA(CVE Numbering Authority:CVE採番機関)として台湾で初の認定を受けており。

台湾企業として初のCVAに認定されている

VPNや仮想マシンの動作などの機能も提供へ

VPN PlusというVPN機能にリモートデスクトップを追加。webブラウザを通じた利用が簡単に行えることをデモを交えて披露した。

ルータにVPN機能も搭載。今回リモートデスクトップがwebブラウザ上で行える機能が追加された

NAS側の新機能としては仮想環境を紹介。従来からIntel CPUを採用した製品でDocker技術によるユーザー独自のアプリケーションを動かすことができたが、VMM(Virtual Machine Manager)によりWindowsやLinux環境を独立して実行することが可能となる。

Docker対応に続き、2017年はNASにハイパーバイザー機能を持たせることで仮想環境に対応する

イメージファイルをNASにコピーして実行するだけと容易な上に、上位製品ではクラスター構成やライブマイグレーションにも対応する

すでにSynologyの台湾本社では300以上のテスト環境が一台のNASで稼働しているほか、企業向けセッションではNTTデータの開発環境としても採用されている事が紹介された。

ただし、VMMは4GB以上のRAMを持つ比較的新しいIntel CPU製品に限られている。現在β提供されているが、正式リリース時には無償のスタンダード版と多くのクラスタやHA構成、マイグレーションをサポートするビジネス版となるという。

現在β版で正式公開時には無料のスタンダード版とビジネス版が提供予定