家電量販店で説明員のトークを録音

実際に録音を試してみた。

まずは某社の発表会の会場で録音した。シーンセレクトで「講演」モードを設定するだけで、反響なども抑えて良く聞き取れる録音ができた。

もっとも、IT系や家電系の記者発表会は記者席から怒号が飛び交うようなことなどまず有り得ず、記者席でひっきりなしに私語がささやかれることもない。主催者の声が良く拾える録音しやすい環境が多い。

そこで、家電量販店の店頭へ行き、クリーナー売り場や空気清浄機売り場で録音しながら接客を受けてみた。

週末の混雑した店内は大勢の客が談笑しながら歩き回り、呼び込みや接客する店員の声が雑多に飛び交い、天井からはBGMや館内放送が容赦なく降り注ぐ。しかも、クリーナー売り場に至っては、誰かが展示機のクリーナーを試運転する度にヒュイーンというモーター音が周囲に響く。

店頭での録音を断られることは少ないと思うが、まず変な顔をされるに違いないので、デニムのポケットにICD-TX800を忍ばせて「ポケット」モードで録音してみた。

店を出て聞いてみると、目の前で話していた説明員のセリフを実にきれいに拾っていた。もちろん周囲のノイズも入っているものの、説明員に製品の特徴を教えてもらうために根掘り葉掘り質問する自分の声と、それに応える説明員の声が一番聞き取りやすいように録れていた。

充電や録音したデータの吸い出し、音楽ファイルの転送などはUSB経由。充電中は上部のLEDが赤く点滅する。充電しながら録音も可能

ちなみに再生時は10秒の早送り、3秒の早戻しをワンボタンで操作できる「書き起こし用再生」や、再生速度の調整機能、ノイズを低減して声の大小を調整するクリアボイスも備えているので、議事録を書き起こす書記担当や、インタビューの多い記者などにも便利だろう。

イヤホンを装着したところ。スピーカーは内蔵しないため、録音の確認はPCに吸い出すか、イヤホンで聴くことになる。イヤホンは変換ケーブルを使ってUSBコネクタに挿す。つまり、充電やデータの吸い出しとは排他利用となる

リモコンはリチウムイオン電池が電源となる

小さく軽く、どこへでも気軽に持ち歩けるICD-TX800ならば、様々なシチュエーションで話者を邪魔することなく録音できる。「さりげない録音」が必要な人に、ぜひ注目してほしい製品だ。