中小企業の雇用状況に関する調査

続いて、中小企業8,310社の雇用状況について調査を実施した。その結果、今年度賃金の引上げを実施した中小企業の割合は、正社員で66.1%、非正規社員で36.5%となり、昨年度に比べて増加した。

「賃上げ企業の割合」

賃上げの理由については、正社員、非正規社員ともに「人材の採用・従業員の引き留めの必要性」が最多。そのほか、正社員では「業績回復・向上」や「他社の賃金動向」、非正規社員では「最低賃金引上げのため」や「業績回復・向上」といった理由が上位に挙がった。

賃金の引上げ方法については、主に「月例給与の引上げ」(92.0%)や「賞与・一時金の増額」(24.9%)で、いずれも昨年度から増加。また、月例給与を引上げた企業のうち、ベースアップを行った企業は33.1%と、昨年(29.5%)を上回った。

「同一労働同一賃金ガイドライン(案)の認知」

次に、同一労働同一賃金ガイドライン(案)の認知度を調べた結果、「内容含め知っていた」という企業は42.0%に留まった。懸念材料を聞くと、「人件費の負担増」(81.3%)が最も多く、次いで「就業規則・賃金規定等の見直し」(59.5%)、「従業員への説明責任」(40.4%)と続いた。

「時間外労働の新たな上限規制について」

また、時間外労働の新たな上限規制について「内容含め知っていた」という企業は47.1%と、半数に満たなかった。対応としては、「新たな上限にかかる長時間労働なし」とする企業が49.2%、「対応できる見込み」が33.8%となり、「対応が困難な企業」は17.0%だった。なお、対応が困難な理由としては、「人員不足」が最も多かった。