発表会では、米マカフィーLLC チーフコンシューマセキュリティエバンジェリストのギャリー・デイビス(Gary Davis)氏が来日。サイバーセキュリティの最新情報として、いくつかの事例を紹介した。
2020年に日本で起きる一大イベントといえばオリンピック・パラリンピックだが、これに対して2つの脅威事例が紹介された。
ひとつは2016年6月にリオで発生した「世界アンチドーピング機関がハッキングを受けた」という事例だ。この事件ではリオデジャネイロ五輪に関わる選手の機密データがインターネット上に流出しており、東京オリンピックでもさまざまなサイバー攻撃を受ける可能性があるという。
また、2016年に、IoTデバイスを使ってDDoS攻撃を仕掛けるMiraiマルウェアが問題になったが、これはアメリカで620GB/秒の攻撃トラフィックを発生させた。最近reaperと呼ばれる新種のIoT向けマルウェアが見つかっており、一度に攻撃が集中することで「インターネットが落ちる」可能性があるという。現在のところ日本の家庭にはコネクテッドデバイスがまだ多くないので安全と言われているが、攻撃元が世界中から特定の組織を狙ってくるので安全とは言い切れないと警告していた。