4つの間違いは次の通り。「1. 投資に優柔不断である」「2. 購入量が十分ではない」「3. ちょっとした上昇ですぐに売却する」「4. 下落のパニックで売却する」。煽り文句が順番に並んでいるが、つまり「買わない奴やすぐ売る奴はBitcoin投資で成功しない」という、現状のBitcoinにおける価格上昇を見ての同氏ならびに中国人の買い煽りキャッチフレーズとも呼べる。

Bitcoin投資における4つの間違い

さて、こうした情勢のなか、なぜ中国政府は仮想通貨やICO (Initial Coin Offering: 新規通貨発行による資金調達)の規制に乗り出したのだろうか。さまざまな理由が挙げられているが、その実際は不明な部分が多い。

Bitcoinを巡る中国での規制

ただ確かなことは、前述のように一種の驚異的なブームでバブルのような状況が醸成されていたこと、通貨発行権を持つ中央政府の制御を離れていること、リスクに対して未知数なこと、そして中国政府自身による発行が噂されるBitcoin型のデジタル通貨と競合する可能性など複合要因にあるようだ。そのため、取引そのものを規制して仮想通貨を国内から締め出してしまおうという流れになったと推察される。

中国政府が選んだ仮想通貨に対するスタンス

このように、中国国内では規制によりBTCCを含め仮想通貨が表立って扱われなくなったが、昨今の継続的な価格上昇にみられるように、今後もなおBitcoinは生き続けるというのはLee氏の意見だ。同氏によれば、現在も中国国内でBitcoinマイニングは続けられており、取引所は個人単位の取引または海外に移管されたという。

中国で表立ってBitcoinが取り扱われることはなくなったが、今後もBitcoinは生き続けるというBobby Lee氏

実質的に、中国国内でのBitcoinは地下に潜った形となり、その需要とともに受け口が海外にスライドした形だといえる。また現在もなお価格上昇が続いている理由について、Bitcoinが中国政府によってその価値や法的根拠が保証されているわけではなく、その外で取引が続いていることに起因すると述べている。

規制下でも価格上昇を続けるBitcoinのからくりと、今後の見込みについて

一方で、今後"政府お墨付き"の仮想通貨(またはデジタル通貨)が登場し、それが利便性などの面でBitcoinを上回ったとき、初めてその存在価値を毀損する可能性にも言及している。つまり、Bitcoinそのものは規制と無縁であるものの、規制の内側で育った競合がBitcoinの利便性を上回った段階でその価値が見直されることになるという考えだ。

余談だが、Bobby Lee氏は金融関係者の間で非常に人気が高いようで、講演が終わった直後にインタビュアーやファンが同氏の下へと殺到し、セルフィーによる記念撮影や名刺・意見交換など、一種のアイドルのような扱いだったのが印象的だった