ビットコイン(Bitcoin)分裂騒動が落ち着いてから1カ月ほどが経過した今年2017年9月上旬に、中国がBitcoinを含む仮想通貨の国内での一斉取引規制を打ち出したことで大きな混乱が生じている。この動きを受けて一時Bitcoinは大幅な下落を見せたものの、現在では落ち着きを取り戻しただけでなく、むしろさらなる価格上昇の途上にある。
かつて、中国国内でも最も早い段階の2011年に交換所を設立し、規制が始まった9月30日にそのすべての取引を終了したBTCC (旧BTC China)創業者兼CEOのBobby Lee氏が米ネバダ州ラスベガスで開催されている金融会議「Money20/20」に登壇し、その背景と中国におけるBitcoin規制の実際について語った。
まず同氏が強調するのは、現在もなおBitcoin価格は上昇を続けており、以前の2013年末にピークを記録した際の水準から比較しても現時点で5倍の価格になっていることを強調した。
実際、Bitcoinは一定期間上昇傾向を続けた後、何らかのイベントで一気にその勢いが加速し、ピーク到達後の売り圧力増加や(規制やトラブル発生などの)何らかのイベントとともに急落し、再び上昇曲線を描くという動きを過去何度にもわたって繰り返してきた。前回の分裂騒動や今回の中国政府による規制についても、そのイベントの1つでしかないというのが同氏のスタンスだ。
そしてBitcoin価格上昇の本質について、中国での視点からいえば決済や個人間取引などインフラとしての活用よりも、純粋に投資目的または価格上昇によるキャピタルゲイン狙いでの取引がほとんどであることを述べている。つまり、価格上昇を見込んで中国国内の投資家(個人も含む)の資金をBitcoinが吸い上げ続けているという構図になる。この動きは特に中国で活発であり、Bitcoin価格急上昇の震源地であり、そのドライバーであることを示唆している。
これはジョークの意味も込めたスライドだが、「Bitocin投資時における4つの間違い」の内容に、中国人のBitcoinに対する考えが込められているともいえる。