シャープが10月13日に発表した新機種の1つ「AQUOS sense」は、フルHDのIGZO液晶ディスプレイを搭載しながらも、3万円台と比較的安価なのが特徴だ。そのAQUOS senseを販売するキャリアの側は、低価格モデルの投入で何を狙っているのだろうか。

シャープの低価格モデル販売数は年間80万台

今年発売された「AQUOS R」より、自社ブランドを強化するべくキャリアの発表に先駆けてスマートフォン新製品を発表するようになったシャープ。そのシャープが、10月13日に発表したのが「AQUOS R Compact」と、「AQUOS sense」の2機種である。

このうち「AQUOS R Compact」は、ディスプレイの形状を自在に変えられる「IGZOフリーフォームディスプレイ」を採用し、ベゼル幅が狭く持ちやすい「EDGEST fit」デザインを実現、さらにAQUOS Rの特長である、表示や操作がなめらかな120MHz駆動のIGZO液晶ディスプレイを取り入れるなど、AQUOS Rのコンセプトを4.9インチのボディサイズに収めたコンパクトモデルである。

「AQUOS R Compact」は、「IGZOフリーフォームディスプレイ」で本体デザインにディスプレイの形状を合わせるなど、新しい取り組みを多く採用したコンパクトモデル

一方、もう1機種の「AQUOS sense」は、5インチサイズのスタンダードなモデルで、低価格で販売されるモデルとなっている。NTTドコモとKDDI(au)からの販売が予定されているが、両社のオンラインショップでの価格を見るに、いずれも割引なしの一括価格で3万円台の前半からと、大手キャリアから販売されるモデルとしてはかなり安価である。

しかしながらAQUOS senseは、この価格帯のモデルとしてはシャープで初めて、フルHDクラスのIGZO液晶ディスプレイを採用しているとのこと。さらにAQUOS R同様、2年間のAndroidのバージョンアップを保証するなど、低価格ながらも充実した機能・性能を備えたモデルに仕上がっているようだ。

低価格モデルの新機種「AQUOS sense」。3万円台ながらフルHDのIGZO液晶ディスプレイを搭載するなど、コストパフォーマンスが高い端末に仕上がっている

実はシャープが低価格モデルを手掛けたのは今回が初めてではない。2015年にNTTドコモから発売された「AQUOS EVER SH-04G」以降、高性能モデルだけでなく、低価格モデルのラインアップにも力を入れているのだ。そして現在、AQUOSブランドのスタンダードモデルのラインアップは年間80万台以上を販売する規模に達しており、同社のスマートフォン事業を支えるラインアップの1つとなっている。