iPhone 8/8 Plus、iPhone Xでは、最新のプロセッサ「A11 Bionic」が搭載されている。TSMCの10nmプロセスによって製造されるA11 Bionicは、 2つのパフォーマンスコア、4つの効率コアを備え、自社設計に移行した3コアのグラフィックスプロセッサを搭載し、日常的な処理から高度なグラフィックスを用いたゲームまでを省電力かつ高速にこなし、機械学習処理については秒間6,000億回に達する。
スマートフォンやコンピュータの処理性能計測に用いられるGeekbench 4でA11 Bionicプロセッサを搭載するiPhone 8 Plusを計測してみると、マルチコアで10472というスコアが出てくる。この処理性能は、最新のAndroidスマートフォンであるSamsung GALAXY Note 8の6564を大幅に上回っているだけでなく、Intel Core i5 3.5GHzを搭載する2017年に刷新されたMacBook Pro 13インチモデルのスコア9213よりも高速な処理性能を持つプロセッサであることが分かる。3DMark IceStormによるグラフィックス性能の比較では、iPhone 8 Plusが64412で、GALAXY Note 8の39834と比べても、その処理性能の高さに圧倒される。
これら数字はプロセッサの処理性能のみのスコアであることから、搭載するメモリ量や組み合わせるソフトウェア、アプリなどによって実際のパフォーマンスは異なる。ただ実利用の現場になると、iPhoneにはより有利に働くことになる。iOS 11も、iPhone 8、iPhone 8 Plusで動作することを念頭に開発されてきたからだ。
Geekbenchを開発するPrimate Labsの創業者、John Poole氏は「何が起きているのか分からない」とのコメントしている。10月4日に発表されたGoogleのPixel 2にも、10nmプロセスのQualcomm Snapdragon 835が搭載されているが、プロセッサの性能でiPhone 8を上回ることはないだろう。もしも将来にわたって長く使っていきたいなら、iPhone以外の選択肢は「非効率的」と評価せざるを得ない。