コンパクトなボディでダイナミックに思い出を残せるアクションカメラを開発してきたGoPro。以前はスポーツ好きの男性を中心に注目を集めていましたが、近年はInstagramで「#goproのある生活」「#gopro女子」といったハッシュタグがつく写真が数多く投稿されるなど、若い女性にも人気が広がりつつあります。
日本を含むアジア市場での売り上げが急伸していることから、9月にGoPro COOのCharles "CJ" Prober氏が来日。単独インタビューの機会を得ました。
GoProにとって日本は重要な市場
――聞き手(らいら): 今回の来日の目的を教えてください。
Prober氏: 我々は世界各国の重要市場に定期的に足を運ぶことを重視しています。日本は我々にとって重要なマーケットですので、リテールパートナーがどのように販売しているか視察しに来ました。GoProブランドを今後店舗内でどのように見せていけばよいか考えています。
――これまで日本にいらっしゃったことはありますか?
Prober氏: 実は初めてです。アジアは何回も来ているのに、なぜ今まで行かなかったのか恥ずかしいくらいなのですが……。2017年1月にCOOに就任し、会社が日本を成長市場と判断したため、今回の来日が決まりました。ユーザーのトレンドや日本文化も、街歩きすることでわかってくるので、日本を視察できてうれしいです。
――市場視察をしていかがでしたか。
Prober氏: 秋葉原と新宿の家電量販店を視察しましたが、本当に素晴らしいと思います。我々はただ製品を買うだけでない、購入体験を重視しています。その点でも、日本の店舗は商品を陳列するだけでなく、いろいろな情報を並べて見せているのが特徴だと思います。
店員さんの知識も豊富ですし、販売能力も素晴らしい。GoProにどんな価値があるのかよくわかって話をされていますし、店舗のスペースを確保して、GoProがいい場所に置かれていました。消費者に知識を授けることに投資をしてくださっている印象です。
個人的には今回の来日で日本に恋に落ちたので、来年2月に娘と一緒に再び行きたいと思っています。今朝も3時に起きて築地の魚市場に行きましたよ(笑)。
若い女性からリアクション芸人まで
――2017年上半期におけるGoProの日本での売り上げは、2016年の同時期と比較して約2.4倍と急伸しています。
Prober氏: 日本に関してはここ1年ほど前から投資を活性化させており、見込み通り堅実な結果が出ていると思います。また、日本は特に若い女性がいい受け取り方をしており、価値を感じてくれている。ソフトウェアも楽しく使ってくれています。この点が日本市場の差別化ポイントかなと思います。
――日本の若い女性の間では、GoProを使ったInstagramの投稿が活発で、「#goproのある生活」というハッシュタグはすでに57万件以上(取材当時)投稿されています。この現象はご存知ですか?
Prober氏: はい、すごくうれしいです。我々のブランドがいかに成功しているか、可視化されるもっともわかりやすい指標なので喜んでいます。GoProは競合に負けないクオリティと魅力を持っているから、みなさんもシェアしたいと感じてくれるのでしょう。
――実は、バラエティ番組でリアクション芸を撮影するときにもGoProのカメラがよく使われており、芸人さんやテレビ好きの間でも意外と知名度が高いです。
Prober氏: その映像を一度見せてもらったことがあります(出川哲朗さんのバンジー動画)。そちら方面にはまだ働きかけをしていないから、いくつか送ってみようかな(笑)。
補足:まだ日本でGoProの知名度が低かった約2年前は、「出川さんのあのカメラです」という説明が一番伝わりやすかったそう。 |
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――多方面で知名度が上がり、売り上げも順調なGoProですが、今後日本ではどのような展開を考えていますか。
Prober氏: 今後は販売店との取り組みを強化したいと思っています。今回の視察で、日本に合った製品を用意することが大切だとわかったので、適合性を大事にしたい。2017年度の下期はさらに知名度を広めるため、マーケティングへの投資をこれまでにないほど強化します。
もうひとつは、アスリートやコンテンツクリエイターなどのインフルエンサーに、GoProの魅力をより伝えていただけるよう働きかけをしていきたいです。アスリートはGoProのブランドと製品を愛してくださり、進んでシェアしてくださっています。各部門のチームも日本を一番の重点市場として取り組んでいるので、ぜひ下期に向けてこの2路線を強化していきたいです。