役柄は絶対逆

――幼馴染で優しい司馬、お金持ちで頭のいいツンデレの高千穂、女子からしたら迷ってしまう理想的な男子を演じられましたが、いかがでしたか?

北村:司馬は「最高の幼馴染」という設定だから、観ている方にもそう思ってもらわなきゃいけないじゃないですか。僕ら2人で迷ってしまうくらい素敵だなと思われなきゃいけないので、難しいなと思いました。

佐藤:高千穂は医者を目指してて金持ちで、という設定がわかりやすかった。それでいて、性格に難ありみたいな。

北村:でも女の子って好きなんじゃないかなぁと思います。素直じゃない男。

佐藤:そうそう。少女漫画にいるタイプ!

北村:高千穂のキャラクターに対し、司馬優翔はどう印象を作っていこうかと難しかったけど、監督には「とにかく優しさで包み込む部分を担ってもらう」と言われて。初日に、監督から「司馬くん、完成してたね」と言われて、これでよかったんだなと思えました。

佐藤:僕、クランクインの時に監督から「司馬くんはできてるよ」って言われて(笑)。周囲からも匠海くんのことをすごく聞いた。

――佐藤さん、『イタズラなKiss』などクールなイメージが続いていますよね。

佐藤:結構、医者目指しがちですよね(笑)

北村:僕はね、だいたい色々抱え込みがち、陰の感じ(笑)

佐藤:わかる(笑)

――おふたりはどちらが自分に近いですか?

佐藤:絶対逆だよね! もしこの2人で表すとしたら逆だと思う。

北村:僕は映画を見てて、高千穂目線になる部分が多くて、切ない気持ちになりました。

佐藤:でも司馬が最初、キスしちゃうじゃん。自分の気持ちを抑えきれない、突き抜けちゃう感じに、匠海くんの持つ10代特有のエネルギーが出ていたと思って。

――すごい、大人の発言ですね。

北村:たまに出る大人な発言ですね(笑)。冗談です。

佐藤:たまに出る? 言葉選んでるからね(笑)

ものづくりに貪欲

――北村さんは普段グループとして音楽活動もされていますが、役者との違いはいかがですか?

北村:音楽とはまた別物ですね。自分の中で動く感情みたいなものはお芝居と音楽で還元しあえればいいと思ってますけど、別物として捉えています。

佐藤:本当、すごいよね。

北村:自分でもたまに、今日は頑張れたなと思って1人で焼肉食べに行くもんね(笑)。

佐藤:この撮影中もライブやってたもんね。

北村:今も、ライブ控えてるからさ。でも僕はすごくものづくりが好きなタイプだから、音楽も芝居も好きだし、もしかしたら10年後、20年後とかに、カメラ担いでるかもしれない(笑)。

佐藤:ありそうありそう!

北村:それくらい、何かを作ることについて貪欲に生きているので、「どっちが楽しいの?」と言われることもあるけど、両方楽しいです。

――それでは、最後に作品が気になっている方にメッセージをいただければ。

北村:"最良"の相手を決める政府通知があるという設定なので、現代とは違うファンタジーな部分もありますが、自分にとっての幸せは何だろうとか、そういうことを考えてくれたらいいなと思います。それぞれが自分の幸せを捨てても相手を応援したいと思っていて、そこから自分にとっての幸せみたいなものを感じていただければ、僕ら演者にとっては嬉しいです。

佐藤:今回は高校生という年代を演じさせてもらって。自分の心を自分ですら把握できなかったり、周りの意見に左右されやすかったり、普通に生きいてる人たちにも当てはまると思うんです。そんな中で、1人の少女が恋をして、どんどん自分の気持ちに素直になっていく。わかりやすく心に刺さるメッセージもあるし、恋愛映画としてのキラキラしたシーンも随所にあるし、毎回意味の違うキスシーンもあります。女子高生も楽しめるし、大人の人も楽しめると思うので、気軽に来て欲しいですね。

北村:さすがです。回収するね~!

佐藤:もう俺、地方キャンペーンでたくさんしゃべってるから!

北村:寛太くんは1人でキャンペーンで地方を回ってたんですよ。全部きれいにまとめて言ってくれました(笑)。