最初は戸惑った、"一人二役"で得られたもの

――トークイベントとノベルティのお渡し会お疲れ様でした。イベントはいかがでしたか?

ドラマCDの発売前からさまざまな場所で宣伝をさせていただいていた作品が、ようやくCDが発売されて、こうして発売記念イベントができたというのが嬉しいです。作品が動き出していくのを肌で感じられる機会をいただけて、ありがたいなと思います。それから、サプライズで誕生日も祝っていただいて。すごくびっくりしました。

――お渡し会ではファンの方からどんな感想をいただきましたか?

お客さまからの質問にもあったと思うのですが、例えば「キャラクターの家族がどんな人たちなのか」とか、作品の広がりについてみなさん期待してくださっていますね。『THE MARBLE LITTLES』は、そうした声を反映させられる自由度があると思うので、改めて僕もこの先のストーリーが楽しみになりました。それと、メインキャラクターとそのパートナーを一人の声優が演じるという作品はレアなので、そこにも注目していただいているようです。

――イベントでは、声のバリエーションを出すことに最初は不安があったとお話しされていましたが、演じてみていかがでしたか?

声色を大きく変化させる演技は、僕自身、課題だと思っている部分でした。今回の作品は、アランとルネが会話をしている時に『どっちが喋っているの?』と思われてしまうと意味がない。かといって、その場しのぎで無理に声を作ってしまうと会話ができないので、ルネの声に関しては叫んだりシュンとしたりできる声を探していきましたね。さらに、台本をいただいてから自分が感じたものも大切にしたくて、それで今のルネの声に落ち着きました。

――課題だと感じていた部分は、作品を通して自信がつきましたか?

今回、すごくいい挑戦の機会をいただけたなと思っていて。自信というよりは、そういう機会を楽しめるようになったなと思います。今、仕事が楽しいっていうのが一番にあるので。そうやって楽しんでやっていくことが、後々に自信につながっていけばいいかなと思います。

――他のキャストのみなさんも、それぞれ一人二役を演じますが、どなたのフェローズのお芝居が楽しみですか?

みんなそれぞれ楽しみですね。でも、一番衝撃を受けたのは濱野大輝くんが演じるふくろうのサッチ。もともと声の低い人が、かわいく演じるのかな……と思いきや、CD1巻にもちらっと出てきた通り、さらに低い声を出してきましたからね!(笑)。

――かわいい見た目に低音ボイスのサッチは異色なキャラですよね。

あと、(八代)拓ちゃん演じるりすのラウトのエセ関西弁も楽しみですね。くろねこのグレイスを演じる鈴木裕斗くんは僕らとはまた違う演じ分けをしていそうだし。あとは小林裕介くんの演じる、わたあめみたいなこいぬのコマリちゃん。一緒にいるダリオもふわふわ系男子なので、どう演じ分けをして、どんな会話をするのか気になっています。僕も早く聞きたいですね。

――発売が待ち遠しいです! さて、ドラマCD第1巻はアランが汽車に乗って旅に出るシーンから始まりますが、野上さんは今旅したい場所はありますか?

最近、どこか遠くに行きたいなって願望が出てきました。別に病んでいるとかじゃなくて(笑)。気分転換とかリフレッシュに、田舎の自然豊かな場所に行ってぼーっとしていたいです。僕自身、インドアではあるけれど生まれが田舎なので、自然が溢れる風景を見ると懐かしさを感じます。

――また、作中ではアランがお父さんにもらった大事な宝物がキーアイテムになっていますが、誕生日ということで野上さんが最近手に入れた宝物はありますか?

最近実感するのは、人との縁を感じる機会がすごく増えたということですね。この作品もそうですが、みんなでいい作品をつくろうとしているスタッフの方々がいて、そしてCDを買ってくれて、イベントに来てくださったお客さんがいるから、僕も今日このステージに登壇できているので。

――人との縁が宝物、ということですね。誕生日を迎えてより強く実感しましたか?

そうですね。祝っていただく機会が増えてありがたいなって、すごく実感します。一つ歳をとるということで、なにかこう、気張らなきゃと思っていたけど、気張りすぎると何事もうまくいかないじゃないですか(笑)。そんな時に、スタッフさん、同業者の方、ファンの方々、いろんな方におめでとうって言っていただくことに、より感謝するようになりました。