ダイキン独自のインバーター制御と低回転で効率のいいスイング圧縮機を組み合わせたほか、低流量での冷媒コントロールが可能な新規電動弁の採用により、最低能力200Wを実現。設定温度到達後も、きめ細やかな運転で快適な温度にコントロールする。
キッチンや洗面所、廊下などは暑さや寒さを感じやすい空間で、高齢者が冬場の入浴後に寒い洗面所に出て急激に体温が下がり、ヒートショックで倒れるといった住宅内の温度差による問題が生じている。ダイキンはこの問題を解決できる製品と位置付けており、2018年2月27日に発売、2018年度に1万台の出荷を目指す。
2017年は堅調、60周年で飛躍なるか
ダイキンのトップシェア獲得に向けた取り組みは、飽和した成熟市場で他社のシェアを奪うのではなく、新たな市場を創出して存在感を発揮するのが基本戦略だ。
「うるさら7は安定的な売れ行きが見込める市場に向けた製品。その一方、ミッドレンジの市場が拡大するなかで、risoraは、他社がやっていない領域の製品であり、ここでボリュームを狙っていく。そして、ココタスは、家のなかに快適空間を広げる新たな製品であり、新築でのニーズを中心に工務店などを巻き込んだビジネスになる」(舩田氏)
エアコン市場は気候による変動要因が大きく、2017年は猛暑の影響で好調な出足を見せたもの、首都圏では8月の長期間の降雨により失速した。それでも前年を上回る実績で推移しており、ダイキン自身も業界全体を上回る業績を記録しているという。
今回の新たな製品群は、ミッドレンジ市場における新たな市場創造という点で、シェア拡大にプラスαになる戦略的製品になる。そこにココタスが加わることで、需要変動の影響を大きく受けない、新市場開拓による+αが見込めることになる。
「今や、平均で一家に3.07台のエアコンが設置されているが、あらゆる空間を快適にする提案によって、さらにエアコンの設置台数を増やすことができると考えている」(舩田氏)
ダイキンの成熟市場における新たな提案は、市場拡大とシェア拡大を加速する提案になりそうだ。