型落ちだが見劣りしないiPhone 6s
こうして「庶民の味方」として人気を博してきたサブブランドのiPhoneだが、ひとつ弱点があった。それは、取り扱いモデルが「iPhone 5s」か「iPhone SE」という4インチの小型画面モデルしかなかったことだ。
4インチのiPhoneは片手で使いやすく根強い人気があるものの、一般に売れ筋なのは4.7インチのiPhoneだ。画面が小さいことを理由にサブブランドを敬遠していた人も少なくないだろう。
これに対して今回発表された「iPhone 6s」は、サブブランドとして初めての4.7インチモデルになる。価格はiPhone SEよりは高いものの、月額割引により端末代を含めて毎月4000円強でiPhone 6sを持てる計算になり、インパクトは大きい。
ただ、iPhone 6sの発売は2015年9月で2年の型落ちになる。果たして大丈夫なのだろうか。たしかに最新のiPhoneではプロセッサーの性能や画面の見やすさ、カメラ性能が大きく向上した。Suicaなどが使える「FeliCa」も、iPhone 7以降の機能になる。
また、かつてのiPhoneではiOSを最新版にアップデートすると途端に動作が重くなり、性能的な限界を感じることも多かった。だがiPhone 6sは基本性能も高く、最新の「iOS 11」を入れても操作感は大きく変わらない。手に取ってみると、まだまだ現役で使えると感じる人が多いはずだ。
外観という点で、iPhone 6sのデザインは7や8と基本的に変わっておらず、見劣りするところはない。8では背面がガラスに変わったものの、正面から見れば見分けがつかないほどだ。
さらにiPhone 6sは、7から廃止された3.5mmのイヤホンジャックを備えており、従来のヘッドフォンをそのまま使えるというメリットもある。買い換えがいらず経済的で、変換アダプターを使う不便さもない。
常に最新のスマホ体験を求める人にとって、iPhone 8を買うか、それともXを待つべきかは悩ましい選択肢だ。だが、毎月の料金を抑えたい人にとって、サブブランドが発売するiPhone 6sはこの秋もっとも魅力的なiPhoneになりそうだ。