「iPhone 8」の発売日となった9月22日の朝には、国内大手3キャリアが発売イベントを開催。上位機種「iPhone X」の発売を11月に控え、ファンの間では様子見ムードも漂う中、少しでも盛り上げようと各キャリアが気勢を上げた。
だが週明けの9月25日には、ワイモバイルとUQモバイルが相次いで「iPhone 6s」を10月に発売することを発表。2年前の型落ち機種が、iPhone商戦で台風の目になる可能性がある。
格安スマホでシェア3割のワイモバイル
スマホ市場におけるワイモバイルとUQモバイルの存在について、簡単に振り返ってみよう。ワイモバイルはソフトバンクが運営する別ブランドで、UQモバイルはKDDIグループのUQコミュニケーションズが展開するMVNO事業だ。立ち位置は異なるものの、いずれも大手キャリア系列のサブブランドと位置付けられることが多い。
ワイモバイルは人気が高く、MMD研究所による2017年3月の調査ではサブブランドとMVNOを合算した格安スマホ市場で3割のシェアを占める。特徴は、料金が安いにも関わらず、全国に約1000店舗を展開するなど大手キャリアに匹敵するサービスを受けられることだ。
その背中を追うUQモバイルも、店舗数は2017年8月に100店に到達。ワイモバイル同様、積極的なテレビCMを展開するなど猛追する。さらに、他の格安スマホ事業者と大きく異なるのがiPhoneを取り扱うという点だ。
他の事業者でも整備品のiPhoneを海外から仕入れるなど独自の動きはあるものの、日本でiPhoneを販売するキャリアは大手3キャリアとワイモバイル、そしてUQモバイルにほぼ限られている。
サブブランドが取り扱うiPhoneは、毎月の料金を節約しながらiPhoneを持ちたい人にとって魅力的な存在だ。さらに最近では、子どものスマホデビューに買い与えたところ、大人でも十分に使えることが分かり、家族まるごとサブブランドに移行する動きが大手キャリアを脅かしている。