では、日本のブランドはどうだろうか。トップ100にランクインしたのは6ブランド。トヨタ、ホンダ、日産、キヤノン、ソニー、パナソニックだ。
トヨタのブランド価値は前年比マイナス6%の503億ドル。日本勢で唯一、トップ10入りの7位となった。ブランド価値はマイナスとなったが、これは北米での販売台数伸び悩みや円高、研究開発のための設備投資などにより、財務状況が低下したことが要因。とはいえ、ブランド価値そのものは低下しておらず、次世代環境車などへの期待は大きい。なによりも、自動車業界でナンバーワンのブランド価値を維持しているのが大きなアドバンテージだ。
ホンダのブランド価値は前年比3%増の227億ドル。SUVや新型シビックが好調で、北米や中国での存在感を強めている。エアバックのリコール問題で騒がれたホンダブランドだが、それが一段落して財務的なリスクが低減したことも、ブランド価値向上につながっている。
日産のブランド価値は前年比4%増の115億ドル。自動運転やEVといったテクノロジーにフォーカスし、競合との優位性の向上、差別化に成功した。ランキングとしては39位だが、日産の上位には、トヨタやホンダを含め7つの自動車ブランドがひしめいている。
コンシューマー向け製品の先行きが不透明なキヤノン
キヤノンのブランド価値は前年比マイナス12%となる98億ドルで、順位は52位。コンシューマー向け光学機器やプリンターの先行きに不透明感があることが大きな理由だ。今後、医療機器やネットワークカメラなど、BtoB領域でいかに存在感を高められるかがカギだ。
ソニーのブランド価値は前年比2%増で85億ドルの61位。事業構造改革に成功し財務体質が改善したこと、メディア事業でのソニー訴求がうまくいったことが挙げられる。一方、パナソニックのブランド価値はマイナス6%で60億ドル、75位となった。BtoB領域でパナソニックブランドが十分な財務成果につながっていないことが影響した。
今回、発表されたランキングではアップルとグーグルが5年連続の強さをみせたが、2000年代前半のランキングでは、アップルは50位前後、グーグルは2005年に初ランクインという状態だった。それが、2000年代後半になるとグイグイとランクアップし、2011年には両ブランドともトップテン入りを果たした。それを考えると、何かのイノベーション次第で、この2強の牙城を崩すブランドが現れるのは、十分に考えられる。