LTE以外にも新VAIOは大きな特徴を持つ。それは、個人向けが主体だったソニー時代とは異なって「法人向け」を強く意識している点だ。新たに法人向けブランドとして「VAIO Pro」も発表し、法人向けソリューションやサポートを強化していく構えだ。

新ブランド「VAIO Pro」発表。以前の製品にもVAIO Proシリーズはあったが、法人向けとしてリニューアルした

その特徴は本体側面のインタフェースにも現れている。現行モデルのVAIO S11で採用したUSBの最新規格「USB Type-C」を新モデルでは撤廃。PCメーカー各社がこぞって採用する最新規格を取りやめるのは、異例の判断といえる。

これもVAIOとして法人の声に耳を傾けた上での判断だという。USB Type-Cの使用頻度は高くない反面、法人ユーザーにとっては既存システムとの適合性を検証するのに余計な手間がかかっていたという。

一方で、画面出力に必要なVGAとHDMIは両方搭載した。有線LANポートも搭載しており、ケーブルを直接挿すことができる。変換アダプターを用いる機種も増えているが、外出先でPCを活用するビジネスパーソンにとって「アダプターを忘れる」ことは致命的で、直接搭載を求める声が多いとした。

画面出力用のHDMIやVGA、有線LANポートも搭載しており、変換アダプターは不要だ

新VAIO投入の狙いとして、PC事業部長の林 薫氏は「ビジネスパーソンを働く場所や時間から解放したい」と語る。

これまで法人向けノートPCの主流はデスクに置いて使う15型だったが、テレワークや在宅勤務に持ち出しやすい13型前後のモバイル機に置き換える動きが増えているという。「働き方改革」を見据え、ノートPCでスマホのような常時接続を実現したのが新VAIOといえる。