9月21日にVAIOが発表した「VAIO S13」や「VAIO S11」は、LTE通信機能を搭載することでスマートフォンのようにネットにつながるノートPCだ。スマホの進化にあわせる形でLTEが高速化していくなか、「ノートPCにもLTEを」という業界の流れをVAIOが先取りする形になった。
ノートPCにいち早くLTEを搭載してきたVAIO
発表会では、6月に代表取締役社長に就任した吉田 秀俊氏が登壇。今後の事業戦略の中核に位置する製品として、13型の「VAIO S13」と11型の「VAIO S11」をアピールした。
一番の特徴はLTE通信機能の搭載だろう。これまでのノートPCでは公衆無線LANやモバイルルーター、スマホのテザリングといった方法に頼らざるを得なかった。いずれも接続に失敗したりバッテリーが切れるトラブルが付きもので、仕事を始める前段階のネット接続に手間取った経験がある人も少なくないだろう。
これに対してLTE通信に対応したVAIOでは、スマホやタブレット端末と同様に、SIMカードを入れることで常時接続が可能になる。マイクロソフトはこうした常時接続PCを「Always Connected PC」と提唱しているが、今回の新VAIOが国内初の対応になった。その背景には、VAIOはソニー時代からノートPCにLTEを搭載しており、アンテナ設計や検証などのノウハウがあったことが大きい。
だがこれまでの同社の経験として、実際にはLTE通信を使っていないユーザーが多いことを把握していた。理由は、通信に必要なSIMカードが携帯キャリアとの月額契約を必要としており、PCのために回線を増やすという手間が発生し、敷居が高かったためだ。
そこでVAIOは、Microsoftが用意した「Windowsの画面から直接、データ通信をプリペイド契約できる機能」に対応させ、1ヶ月の無料体験も提供する。月額契約ではなく、使いたいときだけLTEにつながる体験を提供しようというわけだ。
一方で、特定のキャリアに縛られないSIMフリー端末になっていることから、大手キャリアやMVNOのSIMもそのまま利用できる。日本国内で選択肢が急増している格安SIMを自由に選べる点は非常に魅力的だ。