消費者参加のイベント・キャンペーンに注力

消費者との接点を増やすための施策として、楽天モバイルでは出店拡大に加え、店頭でさまざまなキャンペーンやイベントを開催してきた。たとえば5月の「絶対勝てないAIじゃんけん」キャンペーンは20店舗で開催し、のべ6000人以上の参加者を、8月の「スマホ射的」は、3店舗のみの開催だったが、1500名近い参加者があったという。今週末にはイベント第3弾として、東大クイズ研究会の協力を得て「楽天モバイルからの挑戦状 東大クイズ研究会を超えろ」を直営店5店舗で開催。以後、順次全国に展開していくという。

店頭で問題用紙をもらい、回答後に提出。正答数が一定に到達すれば抽選に参加できるとのこと。自宅等で回答しても構わないが、そのぶん難易度はガチだとか…

こうしたイベントは他キャリアでも開催しているが、MNOでは比較的店舗単位(代理店単位)で開催していることが多い印象で、ブランドとして統一感のあるイベントはそこまで多くない。一方、店舗数の少ないMVNOにとっては、地方への浸透という点で課題が残る。その点、キャラバンカーを擁する楽天モバイルは、どこでもこうしたイベントを開催するフットワークを得たわけだ。もともとMVNOとしては強力な店舗網を持つだけに、効果は大きそうだ。一方、他のMVNOにとっても、比較的低予算で効果的に消費者への接点を作れるという点で、参考になるだろう。

現在MNOは単なるインフラ企業ではなく、保険等を通じてライフスタイル企業へ脱皮しようと、特に販売店を活用するための様々な施策を行なっているが、正直言えば、よほどのことがなければ、キャリアの販売店に積極的に足を運ぼうという気にはなかなかなれないものだ。楽天モバイルはMNOともMVNOとも違う第三極を目指すという方針を立てているが、「来てくれないなら、人のいるところにこちらから向かっていく」というキャラバンカーはなかなかいい線をついているように思う。どれだけの効果が発揮できるのか、大いに注目したい。