楽天は9月21日、同社のMVNO事業「楽天モバイル」に関する説明会を開催し、車両型の移動店舗「楽天モバイル キャラバンカー」を発表した。積極的に店舗展開を進める楽天だが、今後は固定式店舗だけでなく、イベント時などに臨時に出店できるタイプの店舗も推進していくという。

「楽天モバイル キャラバンカー」。写真左から安藤なつさん(メイプル超合金)、楽天の大尾嘉宏人執行役員、カズレーザーさん(メイプル超合金)

屋外でも出店可能な楽天モバイルの新型ショップ

楽天モバイルは2015年からリアル店舗の展開を始めている。1号店となる渋谷楽天カフェ内の店舗を初めに、初年度は33店(専門店9店、量販店・併売店24件)、2016年度は111店(専門店19店、量販店・併売店92件)、3年目となる今年はすでに174店にまで拡大している。2018年3月までに200店展開を目指すという。

楽天はさまざまな業種とのコラボも含め、急速に店舗展開を進めている。もし渋谷や二子玉川の楽天カフェのようなカフェ併設店が全国に展開すれば、強力な武器になるだろう

MVNOである楽天モバイルがリアル店舗展開を重視するのは、やはり何と言っても、MVNOというものがまだ消費者にしっかり理解されておらず、消費者の疑問や不安を解消するため、直接消費者と接触する場所が求められているという事情からだ。ウェブなどでいくら情報提供しても、そこにたどり着けないという人も多い。店舗があれば、そこで説明から契約までこぎつけることもできるわけだ。

しかし、リアル店舗の展開は、いい場所の選定・確保や店舗の準備などに時間がかかってしまう。維持費を含めたコストも嵩む。そこで最近では、ショッピングモールやイベントの際にスペースを借りて臨時で展開するポップアップストアを展開し、リアル店舗が足りない部分をカバーしている。そしてそのポップアップストアをさらに一歩進化させたのが、今回発表された「キャラバンカー」だ。

世界に一台しかない「キャラバンカー」。ベース車両はトヨタの業務用ウォークスルーバン、とみせかけて一般販売向け車両だったアーバンサポーターと見られる

「キャラバンカー」は、その名のとおり、ポップアップストアを展開するために必要な機材を搭載したウォークスルーバンで、元は楽天の別な部署で使われたものをリニューアルして採用したのだという。キャラバンカーはその機動力を生かし、ショッピングモールなどにそのまま搬入してポップアップストアを開けるわけだが、屋内だけでなく、公園やキャンプ場、テーマパークなどでも展開を考えているという。移動しているだけで一定の宣伝効果もあるわけで、なかなか無駄がない。最初の大きなイベントとして、9月30日に東北楽天ゴールデンイーグルスvs千葉ロッテマリーンズのプロ野球公式戦が開催されるKoboパーク宮城でポップアップストアを展開するという。

東北楽天ゴールデンイーグルスのお膝元・Koboパーク宮城にてキャラバンカーが初お目見えとなる