あみこがきっかけで生まれる店舗と顧客のコミュニケーション
普段あみこに投げかけられる質問は1日に300件前後あるそうだが「売り場などについての質問」はそのうちの半分程度。残りの半分が雑談だという。
「事務的な質問への対応もそうですが、コミュニケーションツールとして使っていただけていると実感しています。アニメで動くキャラクターと秋葉原というエリアの親和性も高く、よくフィットしているのではないでしょうか」と、岩永氏。
オープン当初は遠巻きに見ているだけの人が多かったが、少しずつあみことの距離が縮まっていき、何気ない雑談をしてくれる人も増えてきた。
「商品を見る・探す・買うといったほかに、あみこに会うという選択肢を提供できるだけで、一般的な店舗とは確実に異なり、差別化が図れていると感じています。レジが混雑している際の時間つぶしなどで利用される方もいらっしゃいますね。そこに人が滞留することで、ほかの人も気になって足を止めるという好循環ができていると思います」(岩永氏)
お店の顔として、まさに"看板娘"のような存在になっているあみこ。興味がなければ素通りしてしまう可能性の高いありきたりなPOPやポスターとは異なり「顧客が店に滞在する時間」を生み出していると岩永氏は考える。
10階建てのラジオ会館には、ほかにも多くのホビーショップが店を構えている。あみあみで取りそろえているフィギュアやキャラクターグッズの中には、ほかのショップでも手に入る商品は少なくない。そのため、あみあみに足を運んでもらうことが重要なのであり、あみこが注目を集めること自体に価値があるのだ。
「あみこによって売り上げがどの程度増加したか、店舗スタッフの作業がどの程度効率化できたかといったデータはまだ出ていませんが、スタッフがお客様と会話をするきっかけが生まれるなど、あみあみを身近に感じてもらえているという手ごたえはありますね」と、岩永氏は効果を実感している。