辻氏は、先行する競合のサービスとは次の2点で差別化できると強調。「まず家計簿の管理ができるマネーフォワードとの連携が強み。毎月の収入・支出、お持ちの資産から無理のない適切な貯金額を計算するので、我々ならではのご提案ができる。またユーザー体験も強み。貯金したいけれどできない、そうした方をターゲットに想定しており、楽しくワクワクしながら貯金してもらえるプロダクトにした」とアピールする。
お客様に新たな"貯金体験"を
ところで銀行の口座情報にアクセスするAPIには、金融機関の残高や入金履歴などを閲覧できる参照系APIと、振込などの更新が可能な更新系APIがある。「しらたま」では更新系APIを活用しているそうだ。
記者説明会では、このAPIを提供する住信SBIネット銀行から、FinTech事業企画部長の吉本憲氏が登壇。「FinTechが金融にイノベーションを巻き起こす」と説明する同氏は、「しらたま」を、利用者が銀行サービスと気付かずに利用できる。FinTech企業と銀行が連携することで、お客様に様々な"貯金体験"を創出できる」と評価した。
改正銀行法が公布され、今後、全国の銀行や信用金庫でAPI開放の動きが高まると予想される。現在はカード会社やその他の金融機関でもオープンAPIヘの取り組みが活発になっているが、吉本氏は「汎用的なAPI基盤が競争力の源泉になる。これまで金融サービスは規制に守られていたが、今後は銀行APIを使った様々なサービスが登場する。住信SBIネット銀行では、FinTech企業のインフラを目指している」と今後の展望を語った。