日本でのスマートスピーカー普及にはローカライズが必要
果たしてこれらのスマートスピーカーは日本で普及する可能性はあるのだろうか。米国では「Spotify」など音楽のストリーミング配信が普及しており、それに特化したインターネットラジオのようなデバイスが存在していた。スマートスピーカーはその発展型といえる。
スマートスピーカーの「スマート」な部分とは、インターネットとつながっていること、そして音声で操作できることにある。曲名を検索したり、ニュースやスポーツの試合結果を読み上げたりと機能はさまざまだ。
各製品は高性能なマイクを備えており、離れた位置からでも声を拾うので、ベッドに寝転がったまま音声で操作できる。将来的に家電製品がIoTに対応していけば、リモコン代わりに音声でエアコンや照明をオンオフする世界が実現するというわけだ。
日本での普及に向けた課題は、日本語や日本の家庭環境への最適化だ。これまで米国で先行してきた理由は、英語を中心に開発されてきたことが大きい。日本ではLINEが日本語対応のスマートスピーカー「WAVE」を先行体験版として発売しているが、すでにスマホのAIアシスタントで日本語に対応したグーグルやアップルに加え、最大手のアマゾンがどのタイミングで上陸してくるかに注目したい。
日本の家庭環境に合うのか、という点も重要だ。米国と日本では住宅環境も異なる上、音楽ソフト市場も大きく異なる。日本では音楽CDが占める比率が大きく、ストリーミング配信の普及は遅れている。配信サービスも海外で主流のSpotifyなどに加え、大手の携帯電話事業者との連携も必要になるだろう。
こういった日本特有の事情を踏まえ、しっかりローカライズできるかどうかが、日本でのスマートスピーカー普及の鍵になりそうだ。