では、どのようなユーザーがネットキャッチャーを利用しているのだろうか。西村氏によれば「趣味を楽しむ余裕のある大人」だという。もちろん、クレーンゲームなので、1回のプレイで目的の景品をゲットできることもあれば、何回かチャレンジしなくては景品を獲れない場合もある。
「クレーンゲームの性質を納得してプレイしてくださる方がほとんどです」(西村氏)。また、「クレーンゲームの景品は店頭販売されていないので、景品の希少性に注目される方が多いです」と西村氏は話す。中でも“萌え系”と呼ばれるフィギュアが景品だった場合、熱心にチャレンジするユーザーも多いという。
ただ今後は、鉄道や飛行機のダイキャストモデル、女性をターゲットにしたぬいぐるみなどを増やし、広いユーザー層に訴求できるラインナップを構築していくという。
では、このビジネスモデルは今後も広がっていくのか。ネッチに出資しているシーエー・モバイル 戦略投資室 村野慎之右氏は、「今後も右肩上がりに伸びていくのは確実でしょう。まだ、市場としては大きな認知にいたっていませんが、ネットでゲームという現在の流れに沿っています。そもそも、投資だけでなく“何か面白い事業はないか”という社内の新規事業創出会議でネッチさんをみつけ、ほかにはないビジネスに挑戦している点に可能性があると確信したため、成功すると信じています」と、期待を寄せる。
台数を増やし市場拡大をねらう
ネッチが直接管理するクレーンゲームは、埼玉県のとある場所に一括で設置してある。現在は250台だが、年内には150台を追加し、400台体制を目指すと西村氏はいう。そのクレーンゲームが一括管理されている場所をのぞかせてもらったが、目の前の1台のクレーンが突然動き出した。きっと、ネットの先のユーザーは、筆者の目の前にある景品ゲットを期待して、日本のどこかで手に汗を握っているのだなぁと、不思議な感覚に陥った。