AF撮影は爽快感すら覚える
D850のAFシステムは、フラッグシップ機「D5」と同じ153点AFシステムをソックリそのまま搭載している。ピントの判別が難しい暗所でもフォーカスエイド (AF用の位相差センサーを使って、ピントの合焦状態を教えてくれる機能) がバッチリサポートしてくれるので、まさに鬼に金棒だ。
実際に撮影してみると、ファインダーとフォーカスエイドの高い精度によってMFがスパスパ決まることが爽快で、まるで写真をはじめた頃のようにファインダーを覗く、ピントを合わせる、撮影する、という一連の所作に没頭できた。これは、ぜひとも「DK-19」というファインダー接眼時の遮光性を高めるアクセサリーを付けて、より深く没入したいと思ってしまったほどだ。
ファインダーの周辺部でもピントは見やすく、ランプ等の光源が画面内にあってもファインダーが滲んで視認性が下がることは無かった。また、ピントを掴みやすいということは、ピントコントロールを行いやすいということでもある。時にはピンぼけで楽しんだり、ボケ量がちょうど良くなるように微妙にピント位置を調節しやすいのだ。
この写真、机を拡大していくと「古い家具のためお座りいただけません」という注意書きがちゃんと判別できる。さすがは超高画素モデル。ハイライトからシャドーまでトーンが豊かで立体感がある。AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR 焦点距離 70mm F2.8 1/80秒 ISO200 露出補正 +0.7 |
グリップの良さが「重い」と感じさせない
D850がピントコントロールをこれほど楽しめる理由には、ファインダーの他にグリップの良さが挙げられる。D850のグリップ形状はとても指がかりが良く、さほど握る力を込めなくても、楽にカメラを持っていられる。カメラストラップで肩掛けにしたり、カメラバッグにD850一式を入れて長時間持ち歩くと正直重いと感じるけれど、手に持って歩いているとそれほど重さを感じない。ほぼ同じ重さのD800よりも明らかに軽いと感じるほどだ。
シャッター速度は1/60秒。手ブレ補正付きのレンズとは言え、油断ならないシャッター速度だけど、グリップの良さもあって至近側でもバッチリ。ピントが眼にガッチリきていることからも、AFの精度が素晴らしく高いことがわかる。AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR 焦点距離 56mm F3.5 1/60秒 ISO800 露出補正 +0.3 |
前述の通り、D850はフラッグシップ機のD5と全く同じAFシステムを採用している。どんなシーンでもヘッチャラな凄いヤツというのが乱暴な紹介になるけれど、そうした高い性能は全て撮影時の余裕に直結している。
例えば、窓際にある小さな花を狙った時にスッと迷わずピントがくる。暗くてコントラストの低い被写体でも狙ったところに正確にピントがくる。実はどちらも本来はAFが苦手とするシーンで、AFが迷ったり意図しないところに合焦し続けたり、ピントが合わずボケたままになったりして、ストレスが溜まりやすい。しかし、AFが優れていると、それだけで撮影は快適になるし、同時に複数のバリエーションカットを撮影する余裕も生まれる。
D850はピントを掴むのが上手く、ピント精度自体も素晴らしく高い。トータルで3000ショット以上撮影したけれど、AFに不満を感じたシーンは皆無。ほとんどのシーンで一発でスッと合焦してくれるのはとても気持ちが良かった。