オーディオ機器ではもう一つ、AmazonやGoogle、Appleらが話題を牽引する「スマートスピーカー」にソニーも参入を果たした。
音楽配信サービスのストリーミング再生機能を中心に、音声認識で自然言語を理解することでクラウドサービスやIoT機器とも連携できる点が「スマート」要素になる。鍵となるのはクラウド上で動作する音声認識エンジン。ソニーは「Googleアシスタント」を利用するため、基本機能はグーグルのスマートスピーカー「Google Home」と同等になる。
しかしソニーのスマートスピーカーは「音質の良いスピーカー」を起点に開発。スマート機能以前の価値として、「ソニーのスピーカーとしてプレミアムな音楽体験を提供したい」という設計思想があることから、価格も200ドルとGoogleの「Google Home(129ドル)」より上乗せしてきた。
ソニーはテレビブランド「BRAVIA」の上位モデルを中心に「Android TV」を展開しており、そこにGoogleアシスタント対応のスピーカーが加わる形になった。家庭内のソニー製品をGoogleのプラットフォームにつなげていく構想が、着実に実を結びつつあるといって良いだろう。
Googleとの取り組みではもう一点、スマートフォン新製品の「Xperia XZ1」と「Xperia XZ1 Compact」にも注目だ。8月にリリースされたばかりの最新OS「Android 8.0 Oreo」を他の端末メーカーに先駆けて搭載するとアナウンスしており、密接な連携をアピールしている。
世界のAndroidスマホ市場は大画面化が進む一方で、コンパクトモデルに希少価値が生まれつつある。日本だけでなく、欧州市場でも高級コンパクトスマホを求める声は高まっているという。ここでもソニーのプレミアム路線の正しさが証明されることになりそうだ。