AIを取り入れる狙い
――今回は人工知能を搭載したウエディングドレスがランウェイに初登場しますね。
今回のテーマは「BEYOND」です。TGCが新時代のガールズカルチャーを発信することを掲げております。25回目を迎えて「老舗」のイメージが定着し、「安定感」や「安心感」がある一方、「古いイベント」と誤解される可能性も出てきます。ここであえて挑戦的なテーマを掲げ、世界が注目している東京から地方や海外に向けて発信していきたいと考えています。
TGCはテクノロジーの進化と共に多くの方々に知っていただけるようになりました。最先端テクノロジーとのコラボレーションとして、今回は2つのAI企画を実施します。
1つはIBM社の人工知能・ワトソンのコグニティブテクノロジーを使ったもの。ツイートの感情を読み取ってドレスの色が変化する、“見るものから参加する"まさに新時代に向けたファッションショーです。これは社内コンペがきっかけの企画で、若い女の子にとってみれば、人工知能と聞いてもピンとこないと思いますが、自分のSNSの投稿でドレスの色が変われば興味を持ってもらえる。そしてTGCにはSNSで発信することが日常的な若い女性で溢れている。私たちの役目は最先端テクノロジーをTGCならではの手法でアウトプットし、世の中に向けてわかりやすく伝えることです。
もう1つは、9DW社との共同開発で、世界中のSNSをもとにファッションコーディネートを学習したAIが審査員の、スナップコンテストを世界で初めて開催します。AIがファッションショーをプロデュースする案もありましたが、それは面白くない。洋服がかわいければそれでいいし、自分が好きなモデルさんが着ている洋服であればAIが考えたどうかは重要ではありません。
SNS発信することがルーティンのTGC来場者層は、SNSでの承認欲求の高い女の子だと仮定した時、一人ひとりがインフルエンサーになる可能性があります。もともとTGCで来場者スナップはやっていたのですが、最旬のコーディネートで来たお客さまが主役になっていただくためにも、AIによるスナップコンテストを考えました。1時間ごとにカメラマンが場内をまわり、随時公式サイトでランキングを発表していきます。
『おそ松さん』と矢沢永吉
――そのほか、TVアニメ『おそ松さん』と2度目のコラボ。TGCの客層と違うような気がするのですが、どのような狙いがあるのでしょうか。
これも良い意味での"カオス"空間を作ることの1つ。ガールズをひとくくリにしたときに、『おそ松さん』も大きなガールズトレンドです。
――過去の取材で印象に残っているのが、2014年の第19回。シークレットゲストとして登場した矢沢永吉さんが「レイニー・ウェイ」「サイコーなRock You!」を熱唱し、客層が違うはずですが会場は大盛り上がりでした。これも、先ほどからおっしゃっている"カオス"な空間ですね。
そうですね。『おそ松さん』とのコラボグッズが売られるから来てくださる方もいれば、TGCで『おそ松さん』を知る方もいると思います。これは一例ですが、このような視点でコンテンツを積み重ねています。
――矢沢さんが登場した時は、記者席も沸いていました。TGCのお客さんは世代じゃないはずですが、間違いなく盛り上がっていましたよ。
ありがとうございます(笑)。お客様がTGCにいらしてくださる目的となるコンテンツをふんだんに用意することはもちろん、お客さまにちょっとだけ想像を超えるコンテンツや、驚きを加えるとことが「圧倒的な熱狂」には必要だと思っています。今回もたくさんのサプライズをご用意しています。25回目という節目にふさわしい"重鎮"もご出演いただくことになっていますので、楽しみにしていてください。