2017年の見通しについて、キャメロン氏は「成長率は減速する。設備投資額が増えておらず、生産量が減る見込み。この要因として、アジア諸国で需要が落ち込んでいることが挙げられる。特に中国の宝飾品需要については悲観的な見方が続いている。人民元が安くなっていることに加えて、経済状態も良くない。インド市場には明るい兆しもあるが、金の需要としては2017年に最低レベルまで下がるのではないか」と分析している。
銀は価格が上向きに
キャメロン氏は引き続き、2017年の銀市場についても説明を行った。2016年は総供給31,324トンに対して現物需要は31,968トンで、644トンの不足だった。銀は現在、宝飾、銀器、産業用、写真用、電気・電子、太陽電池など、さまざまな用途で消費されている。特に近年、太陽電池の表面に銀粉として使用されるケースが増えており、需要増の傾向がうかがえる。
現状では、銀の価格は金に比べて割安になっている。このため今後、上振れしていく可能性があるという。「すでに銀の価格は底を打っている。弱気市場が終わり、強気市場が始まるのではないか」とキャメロン氏。銀の価格は現在1オンスあたり17.64ドルだが、2018年には1オンスあたり19.80ドルに、2019年には1オンスあたり21.80ドルになると予測していた。