ついに卒業の時が来た……。2015年より放送された、TVアニメ『美男高校地球防衛部LOVE!』のシリーズ完結編、OVA『美男高校地球防衛部LOVE!LOVE!LOVE!』が、8月26日から全国7都市の劇場にて期間限定で上映される。
眉難高校に通う箱根有基、由布院煙、鬼怒川熱史、鳴子硫黄、蔵王立たち地球防衛部は、バトルラヴァーズに変身し、これまでさまざまな怪人達と戦いを繰り広げてきた。そんな眉難高校に訪れた卒業シーズンを描くのが本作だ。3年生である煙や、熱史は間も無く卒業式を迎える。1年生の有基たち、送り出す後輩の胸のうちは……?
今回は、気になる『美男高校地球防衛部LOVE!LOVE!LOVE!』の見どころを、箱根有基役の山本和臣、鬼怒川熱史役の西山宏太朗に直撃。また、ライブやニコニコ生放送など、さまざまな舞台でバトルラヴァーズとして活動してきたこの2年半を振り返ってもらった。
この作品を観れば、嫌だった卒業も受け入れられる
――ファン待望の新作、『美男高校地球防衛部LOVE!LOVE!LOVE!』がついに公開される時が来ましたね。
山本 劇場公開することになったのも、西山さんがよくインタビューとかで「劇場、劇場」って言っていたからだと思うんですよ。
西山 え、言えば叶うってことだったんですかね。言っててよかった!
山本 防衛部の部長だからね。適当に決まった部長だったけど(笑)。
――今回は3年生キャラたちの卒業が描かれますが、台本をいただいたときの気持ちはいかがでしたか?
山本 まず、「卒業を描く作品になる」という話を聞いた時に、みんな「え、本当に卒業するの?」って思って、台本をいただいた時にまずそれを確かめましたね(笑)。今回の『美男高校地球防衛部LOVE!LOVE!LOVE!』は、清々しいくらい、すごくストレートに青春だなと思いました。
――今までも、学生生活という意味では青春でしたが、その要素がより濃くなっている?
山本 そうですね、演出とかもよりドラマチックになっているし。
――西山さんは、煙と熱史が卒業すると聞いて、最初はどう思いましたか?
西山 「クビかな……?」って思いましたね(笑)。でも、最初は本当に寂しかったです。台本を読んで、本当に卒業するんだなと実感しました。
山本 僕自身も、個人的に二人が卒業してしまうっていうのはどちらかというと嫌だなと思っていて。でも、台本を読むとその気持ちが消化されて、卒業を受け入れられるようになりました。
西山 それはありますね。卒業が寂しいだけじゃなくて、新たな発見もたくさんつまっているっていうのは、台本を読んで僕も感じました。防衛部に、今までにない大ピンチが訪れるんですけど、そこでみんなの絆の深さを改めて確かめられます。
――今回のOVAの見どころを教えてください。
西山 今までは防衛部vs征服部や、VEPPerだったんですけど、今回は、みんなで力を合わせています。この3組が、今まで見たことがなかったキャラクターの組み合わせで、見たことがなかった場所でしゃべっているシーンもあったりして、よかったなと思いました。
山本 征服部は、1期でせっかく仲良くなれて、これから防衛部と征服部のゆったりした日常が見られるかなと思いきや、2期の1話から留学しちゃったのが残念でした。でも今回は、防衛部、征服部、 VEPPerみんなの平和なところが見られます。ファンのみんなが思い描いていた後日談的な、そういう期待にも応えられていると思いますね。でも防衛部らしさもしっかり詰め込まれていますよ。
西山 変わったところと、変わらない防衛部らしい部分の両方が詰め込まれていますよね。
山本 はじまりのシーンとか、怪人とかね。1期から知っている方には「やっぱり」と思うところが色々あって、今までの集大成になっています。だから、1期、2期を観てから今回の『美男高校地球防衛部LOVE!LOVE!LOVE!』を観るのもいいけど、今回の作品を観てから、「もっと詳しく!」と1期、2期を観るのもありです。で、またもう一度『LOVE!LOVE!LOVE!』を観るとかね。何回でも行き来できますよ。
――では、1期、2期を観ていなくても、『美男高校地球防衛部LOVE!LOVE!LOVE!』は楽しめるということですね。
西山 より過去の作品に興味が湧くと思いますよ。ここから観た人は特に。
――今回もファンの方にたくさん広めていただきたいですね。
西山 そうですね、本当に、ここまで続いたのもファンの方が応援してくれて、どんどん広めてくれたおかげだと思うので。これからもどんどん広めてもらえたら嬉しいですね。
山本 初めての人は、いきなりみんなと劇場で一緒に観るっていうのも楽しいですよね。だから、上映会はお友達を誘っていくといいかも。「行こうよ!」って。
いい意味で気を遣わない部分も出てきた、バトルラヴァーズの関係
――今日は西山さんに、収録で使った台本もお持ちいただいていますが、ここにすべてが詰まっているんですね。
山本 (台本を見て)これなに? 「きゃっきゃうふふ」って手書きで書いてある。
西山 「ここはきゃっきゃうふふしているシーンです」って言われて、それでメモしたんですよね。
山本 あぁー。
――「きゃっきゃうふふ」がどんなシーンになっているのかは、公開を楽しみに待つことにします! さて、お二人は、由布院煙役の梅原裕一郎さん、鳴子硫黄役の白井悠介さん、蔵王立役の増田俊樹さんと5人で、バトルラヴァーズとしてニコニコ生放送やイベント、ライブなどさまざまな活動をされてきましたよね。活動が始まった頃と比較して、自分はここが変わったというのはありますか?
山本 やわらかくなったかもしれない。でも、みんなそうかも。
西山 みんなそうだと思います。僕自身も、始まったときは自分のことでいっぱいいっぱいだった。自分の気持ちを口に出すことでいっぱいいっぱいだったんですけど、時間が経っていくにつれ、みんなで活動しているってところに視点を変えられるようになってきたなと思いますね。チーム力がついてきました。
山本 みんながそれぞれ、みんなのことを分かるようになってきたし、思いやりがだいぶ出てくるようになりました。みんなで楽しもうっていう。みんながそれぞれみんなのことを思っていますね。
西山 みんなの立ち位置的なものもわかってきて。これも、ずっとみんなでやることができたおかげだと思います。
――西山さんはニコニコ生放送の番組『バトルナマァーズ』の名物コーナー「ラブメイキング」では優勝しないという立ち位置がありますよね……?
西山 それは変えていきたいんですよ(笑)。優勝はしたいですよ。狙いにはいっていますから!
山本 あれは順位をつけるのが間違ってる(笑)。
――生放送などで垣間見えるみなさんの雰囲気も変わっていきましたよね。
西山 いい意味で気を遣わない部分も出来てきたのかなって思います。
山本 いま、5人のうち誰かが、すごくおかしなことをやらかしても、たぶん関係は変わらない気がします(笑)。
西山 何かあってもサポートし合えるんだろうなとは思いますね。やっぱり特別だなって。このチームだったから、ここまでずっと続けられてきたんじゃないかな。